公共トイレ管理者白書
もう公衆便所なんて呼ばせない
空気と、安全と、公共トイレ。当たり前のように存在する公共トイレの裏側をレポート!空気と、安全と、公共トイレ。当たり前のように存在する公共トイレの裏側をレポート!空気と、安全と、公共トイレ。当たり前のように存在する公共トイレの裏側をレポート!
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概要・あらすじ
本書は、「公衆トイレ」改め「公共トイレ」を、豊富なアンケート結果や、実際に公共トイレを取材して得られた実情を元に、トイレの管理団体である行政、現場で運用をするメンテナンスワーカー(掃除のおじさま・おばさま)、そして設計者の3者の視点で考察され、まとめられています。
データ編、レポート編、資料編、企業/製品情報編と4章に分けられ、客観的なデータと筆者が足で取材をして得られた現状は、「公共トイレ」に携わる人間にとって、興味深く実用的な内容が満載です。
感想・思ったこと
本書のコンセプトは防災ではありませんが、被災時の公共トイレについての考察が挿入されていたり、新潟県中越地震のトイレレポートがまとめられていたりと、やはり災害とトイレは切り離すことができない関連にあるのだなと再認識しました。
また、よほど屋内に引きこもっていない限りは、生活のあらゆるシーンで公共トイレにお世話になるケースも多く(駅、商業施設、学校、会社などのトイレはすべて公共トイレです)、実際に掃除をしてくださっている方々の悩み事や、設計上の問題点など、役に立つわけではないですが、利用者として知っておくべき情報が多く、写真やグラフなどが豊富に使われて読みやすくまとめられた本書は、興味があればぜひ手にとっていただきたい1冊といえます。
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書籍の情報
著書名…公共トイレ管理者白書
もう公衆便所なんて呼ばせない
著者…坂本 菜子
出版社…オーム社
初版発行日…2005/2/28
紹介文…「MARC」データベース
臭い、汚い、暗い、怖いの4Kだった公衆便所が、バブル期を経て、すっかりきれいに使いやすくなっている。公共トイレの現状を、自治体管理者、設計者、メンテナンスワーカーに取材し、現場を歩いて報告する。
目次
- 第1章 データ編
- 公共トイレは泣いている ~アンケート実態調査から~
- 1-1 自治体管理者の声とは
- 公衆トイレと公共トイレは、どう違う?
- だれが、公共トイレを管理している?
- 自治体管理者の困りごと「TOP3」とは?
- 掃除は、だれが、週何回?
- 毎日掃除しているのに、なぜニオウ?
- トレーサビリティ(管理履歴)は、どうなっている?
- 発注仕様書の実態は?
- 1-2 設計者、メンテナンスワーカーの声とは?
- 設計者の困りごと「TOP3」とは?
- 設計者は、何を重視しているか?
- 設計者は、何を望んでいるか?
- 設計者は、どこまで現場がわかっているか?
- メンテナンスワーカーの困りごと「TOP3」とは?
- メンテナンスワーカーの言い分とは?
- 第2章 レポート編
- 公共トイレの今日と明日
- 2-1 注目の公共トイレ、その現場を歩く
- エコトイレの導入は、先進自治体の証明
(東京都/世田谷区、神奈川県/横須賀市) - 山のトイレは、自治体とオーナーの協力で
(静岡県/富士山) - 観光トイレは、地域振興の起爆剤
(静岡県/伊東市) - コンセプトが随所に生きる、おもてなしトイレ
(福島県/安達町) - 日常清掃が行き届いた、ハイメンテナンストイレ
(神奈川県/川崎市、埼玉県/さいたま市) - 設計段階から地域共生を織り込んだ、川のトイレ
(千葉県/松戸市) - 市民が動いて作った、ボランティアトイレ
(埼玉県/八潮市) - 行政経験とノウハウが生きる、バリアフリートイレ
(東京都/町田市) - 2-2 公共トイレはどこへ行く
- どうなる?災害時の公共トイレ
- (新潟県/新潟県中越地震)
- (静岡県/災害対策事例)
- (兵庫県/阪神・淡路大震災)
- 適正配置と有料化への取組み
- (東京都/千代田区、京都府/京都市)
- 第3章 資料編
- データから見えてくる公共トイレの実像
- 3-1 公共トイレ年表
- 3-2 管理者アンケート/詳細データ
- 3-3 設計者アンケート/詳細データ
- 3-4 メンテナンスワーカーアンケート/詳細データ
- 第4章 企業/製品情報編