日用品の日常備蓄(ローリングストック)のポイント
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執筆者:高荷智也
赤ちゃん用・介護用・ペット用の消耗品をはじめ、無くなると困る日用品は飲料水や食料品と同じような「日常備蓄」が不可欠です。歯ブラシ、洗剤、コスメ用品など、切れたタイミングで入手できないと困る日用品は「2~3個のストックを常備」がおすすめです。
日用品を日常備蓄する目的
飲料水や食料品と異なり、日用品は数日買い物に行けないからといって、いきなり困るということはありません(タイミングにもよりますが)。一方、日用品は買いだめがきくため、買い占めが発生するような災害が生じると長期間入手ができなくなるという問題が生じます。
- 「買い占め」という二次災害…食料品同様、超大型台風の接近、南海トラフ巨大地震の「半割れ」、大規模な噴火の予告、感染症によるパンデミックなど、「不安・デマ・噂」などで買い占めが発生し、日用品の入手ができなくなる状態への備え
- 道路や店舗が物理的に破壊される災害…ちょうど日用品のストックが切れたタイミングで、大地震・津波・台風・噴火・大雪などが発生し、物理的に買い物ができなくなる状態への備え
飲料水や食料品は、平時も非常時も消費量が変わりませんので、買い占めが発生しても供給さえされていれば、比較的短期間で入手出来るようになります。
しかし日用品は、一時的に需要が急増した場合、生産が追いつかなくなるという自体が生じるため、「わが家には重要」なものは、普段から日常備蓄(ローリングストック)で、在庫を確保しておくことが重要です。
日常備蓄する日用品の量と期間の目安
非常用持出袋にも入れておく
日用品のなかでも、乾電池・ゴミ袋・使い捨てカイロなど、避難時に持ち出して避難場所や避難所で使用したいものについては、その一部を非常持ち出し袋などのリュックサックへ入れておく必要があります。食料品などと異なり消費期限が長いか無いので、年1回新しい物に入れ替えるとよいでしょう。
ないと困る、また消費量の多い日用品は1~2ヶ月分を日常備蓄
- ティッシュペーパーやトイレットペーパー、花粉シーズンのマスクなど
- 赤ちゃん用・介護用のオムツやお尻拭きなどの消耗品など
- 猫砂・トイレシート、またはペットフードやおやつなど、ペット用品全般
- コンタクトレンズや入れ歯の洗浄用品など
- 基礎化粧品、生理用品など
これら、毎日消費するような日用品は、ものによっては生活に支障をきたしますので、飲料水や食料品と同じように、切らさないような日常備蓄(ローリングストック)を行います。
外出ができなくなるような災害の発生、あるいは買い占めや突発的な需要の増加により入手ができなくなることを想定し、常に一定量のストックを確保します。必ず消費し、かつ期限がないものについては、もっと多くの量を常時確保してもよいでしょう。
定期的に補充が必要な日用品は、「2~3個」の予備を確保
- ラップ・アルミホイル・キッチンペーパー・食器用洗剤など、台所周りの消耗品など
- 歯ブラシ・歯磨き粉・うがい薬など、オーラルケア用品など
- 化粧品・化粧水・乳液・整髪剤・カミソリなど、コスメ用品など
- 石けん・シャンプー・ボディーソープ・バス用洗剤など、お風呂周りの消耗品など
- トイレ用洗剤・タンク洗浄剤・トイレ芳香剤など、トイレ周りの消耗品など
- ゴミ袋・除菌消臭剤・掃除用シートなど、掃除・衛生用の消耗品など
- 乾電池各サイズ、平時用だけでなく防災用に重要
これら、毎日使うがすぐに無くなるものではない日用品、あるいは定期的に利用するような日用品は、ちょうど在庫が切れたタイミングで入手ができない状況になると、困ったことになります。
しかし、これらの日用品には、正確に「1ヶ月分」「2ヶ月分」の量を把握することが難しいものも多くあります。「常に2ヶ月分のストックを」と言われても、なかなかピンときません。
そこでおすすめする日常備蓄(ローリングストック)の量が、「常に2~3“個”の在庫」を持つ方法です。無くなってから、あるいはなくなりそうになってから補充するのではなく、同じものを常にふたつみっつ確保し、ひとつ無くなるたびに補充をするという方法になります。
日用品の日常備蓄(ローリングストック)のイメージ
赤ちゃんがいる場合は…
乳幼児がいる家庭において、オムツやお尻拭きを切らすことは死を意味します(大げさでなく、深夜であってもコンビニに走り込む対象が赤ちゃん用品です)。ちょうどオムツが切れるタイミングで大地震発生、あるいはなぜのデマ報道で赤ちゃんのオムツが売り場から消滅…考えただけで恐ろしい光景です。
一方、赤ちゃんはすぐに大きくなります。数ヶ月分のオムツをストックする場合、全て同じサイズにするか、半分はワンサイズ大きい物にするか、きちんと考えておく必要があります。迷う場合は大きいサイズを買っておいて、あわなければ後で使うという方法がよいでしょう。
赤ちゃん用品全般の日常備蓄(ローリングストック)は、介護用品・ペット用品などでも同じことが言えます。ライフスタイルとして、在庫置き場と買い物のペースを構築してしまいましょう。
キッチン・お風呂・洗面所周りでは…
キッチン用品、シャンプーやボディーソープ、歯ブラシや歯磨き粉、洗剤や柔軟剤など、無くても死なないが無いと困るものについては、「今使っているもの」の他に、新品を常に2~3個(消費量で調整)ストックするのがよいです。
できれば1~2ヶ月程度は補充しなくても切らさない程度の分量があると、突発的な災害や買い占めが発生しても慌てずに済みます。また常に在庫があれば、補充は「特売日」にすればよくなりますので、お財布にも優しくなります。
ゴミ袋各種サイズ・乾電池各種サイズは優先的に
各種サイズのゴミ袋や、同じく各種サイズの乾電池(とりわけ単三電池)は、非常時に多用するアイテムです。ゴミ回収が滞った場合や、トイレの利用ができなくなった場合には大量のゴミ袋を消費します。また停電が発生した場合は乾電池が生命線になります。
ゴミ袋については消費期限がありませんので、1年分程度の量をまとめ買いして、入れ替えながら使うとよいでしょう。「水を通さない・袋状あるいは平らな・加工しやすい素材」は、様々なシーンで活用できます。
乾電池は、LEDライト・ランタン・ラジオ・乾電池スマホ充電器などとセットで、非常時に用いることになります。子どもがいる家庭の場合は平時から大量に電池を使いますので、100円ショップなどで大量にストックを作るとよいです。
そうでない家庭の場合でも、各種のリモコンや時計類に電池を使います。100均の乾電池の保存期限は5~7年、パナソニックや富士通などブランド乾電池は10年が目安です。使い切れる範囲で、日常備蓄をしておくとよいでしょう。