震度とは
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執筆者:高荷智也
震度(シンド)とは、地震発生時における、ある地点の揺れの大きさを階級別に表した指標のことです。日本では気象庁震度階級で表現され、震度は最大で7となります。
震度と計測方法
震度は、地震により各地で観測される、各場所ごとの揺れの大きさを表した指標です。震源(地震の中心)に近い場所ほど震度は大きくなり、震源から離れれば小さくなります。震度は、全国の震度観測点に気象庁などが設置した計測震度計により、自動的に測定されています。
気象庁が震度観測を始めたのは1884(明治17)年のことで、以来120年にわたり震度観測を実施しています。ところが、観測が機械による自動観測となったのは最近のことで、1996(平成8)年の3月以前は、職員による地震の体感や、周囲の状況(破壊され具合)から震度を定めていました。
計測震度計は1991(平成3)年から導入が開始され、2009(平成21)年10月の時点で、全国4,200の震度観測点に設置されています。設置された震度計は、気象庁だけでなく、地方公共団体や(独)防災科学技術研究所により、整備と運営がなされています。
気象庁震度階級とは
気象庁震度階級とは日本で使用されている震度階級で、地震の揺れの大きさを表す10段階の指標です。階級は、震度0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7の10段階に分かれており、そのため日本においては震度7より大きな地震は発生しないことになります。
気象庁震度階級は、大きな地震被害を受ける度に最新の状況を反映する形で、繰り返し改正されています。現在の10段階の震度階級は、1996(平成8)年10月に定められたもので、それまでは震度0~7までの8段階の震度階級が用いられていました。
1996(平成8)年の改正は、前年1995(平成7)年1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で、震度5や6と判定された地域における被害の幅が広く、正しい震度表現がとれなかったために、階級を細かくする形でなされたものです。震度5と6が、それぞれ震度5弱・5強、6弱・6強に分割されました。
さらに、2009(平成21)年3月31日に、震度階級ごとの被害の状況などを解説した、「気象庁震度階級関連解説表」の運用が開始され、各震度ごとに人・建物・ライフライン・インフラ・高層ビル・大規模建築物などが、それぞれどのような被害を受けるのかがまとめられています。
海外・外国の震度
震度を表す震度階級には、国際基準がありません。各国がそれぞれ異なった震度階級を採用しています。そのため日本における震度は7が最大ですが、外国で起こった地震を異なる震度階級で表すと、最大で震度12までの表記がなされます。
「MM(改正メルカリ)震度階級」
震度I~XIIの12段階です。米国をはじめ、比較的広い範囲の国々で利用されています。
「MSK(メドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク)震度階級」
震度I~XIIの12段階です。主にロシア(旧ソ連)、東欧、インドなどで利用されています。
「ヨーロッパ震度階級」
震度1~12までの12段階です。ヨーロッパを中心に利用されています。
また日本以外で震度を計測する場合には、かつての日本と同様の方法を用いています。多くの場合、震度計などの機械のデータが示す数値とあわせて、人間が体感した揺れの大きさや、周囲の被害状況などを総合的に判断して震度を算出しています。