Voicyそなえるらじお #1035 大船渡市で生じている3連続の大規模火災に関する時系列の状況
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執筆者:高荷智也

こんにちは!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月27日(木)、本日も備えて参りましょう!
大規模な山火事と火災
本日のテーマは「岩手県大船渡市で生じている大規模火災」のお話です。
2025年2月19日以来、合計3回の山火事が発生し、住宅にも被害が生じています。火災が生じている近くの地域では早めに避難指示が出され、現在のところ人的被害は出ていないということですが、とにかく火災の規模が大きく、また現在も消火活動が続いている状況で、早い鎮火と収束が望まれる状況です。ここまでについて、時系列で情報をまとめてお話いたします。
※以下のまとめは、Grokで作成を行っています。
時系列でのまとめについて
以下に、岩手県大船渡市(おおふなとし)および周辺地域で発生した山火事の状況を、1回目の発生から最新情報まで時系列で整理します。情報は2025年2月27日09:22(日本時間)時点のものです。
1回目の山火事(大船渡市三陸町綾里(おおふなとしさんりくちょうりょうり))
- 2月19日(水)12:00頃: 大船渡市三陸町綾里の田浜(たはま)地区付近の山林で火災が発生。「白い煙が見える」との通報が消防に入る。焼失面積は当初16ヘクタールと報告される。
- 2月20日(木): 06:00からヘリコプターによる消火活動が開始され、消防や警察約250人が地上で対応。15:00時点で焼失面積は約36ヘクタールに拡大。21:15、住宅への延焼リスクが高まり、田浜地区の62世帯157人に避難指示が出される。夜間は綾姫(あやひめ)ホールに自主避難所が開設。
- 2月21日(金): 05:30から消防約300人とヘリ7機が活動。20:00時点で焼失面積は約317ヘクタールに拡大。自衛隊が海水を使用して消火を支援。乾燥注意報が継続中。
- 2月22日(土): 消防約300人とヘリ9機で消火活動が続く。18:00時点で焼失面積は約318ヘクタール。22:00過ぎ、田浜地区で再び火勢が強まり、最大25世帯43人が避難。
- 2月23日(日): 発生5日目。消防約160人とヘリ9機で対応。00:00から田浜地区の一部で電線への延焼防止のため計画停電実施。焼失面積は約324ヘクタールに。
- 2月24日(月): 朝から消防約110人が地上で活動。延焼は止まるが鎮圧のめどは立たず。避難指示が継続。
- 2月25日(火)15:05: 約324ヘクタールが焼失した後、火勢がほぼ収まり「鎮圧」が宣言される。田浜地区の避難指示が解除。
2回目の山火事(陸前高田市小友町(りくぜんたかたしおともちょう)および大船渡市末崎町(おおふなとしまっさきちょう))
- 2月25日(火)15:20頃: 1回目の鎮圧とほぼ同時刻に、陸前高田市小友町の山林で火災発生。「ゴミ焼きが山に移った」との通報。火は大船渡市末崎町に延焼。
- 2月25日夕方: 両市の233世帯546人に避難指示。焼失面積は約8ヘクタールに。
- 2月26日(水)09:00頃: 自衛隊のヘリなどが消火活動を実施。
- 2月26日12:00頃: 火勢が収まり「鎮圧」が宣言される。
3回目の山火事(大船渡市赤崎町(おおふなとしあかさきちょう)および三陸町綾里(さんりくちょうりょうり))
- 2月26日(水)13:00頃: 2回目鎮圧の約1時間後、大船渡市赤崎町合足(あいだり)地区付近で新たな山火事発生。「作業小屋から出火した」との情報。火は東側の三陸町綾里の小路(しょうじ)地区と田浜(たはま)地区にも広がる。
- 2月26日13:11: 大船渡市が防災無線で火災を周知。
- 2月26日14:14: 三陸町綾里全域(850世帯2060人)と赤崎町合足地区(23世帯54人)に避難指示。県道9号線で交通規制。
- 2月26日14:00: 岩手県が災害対策本部を設置。陸上自衛隊に災害派遣要請が出され、防衛省が受理。
- 2月26日17:00: 焼失面積は約637ヘクタールに拡大。住宅少なくとも30軒が焼失(一時10軒との報道もあったが、後に84棟と更新)。人的被害は不明。
- 2月26日20:00: 市長が会見。火は西からの強風で北東に延焼中。地上での消火活動が続き、避難所6カ所に584人が避難。
- 2月27日(木)午前: 消防と自衛隊が夜通し活動。07:00頃からヘリ10機(防災ヘリ6機、自衛隊4機)による放水開始。鎮圧のめどは立たず、5つの集落が焼失し、2000人以上への避難指示が継続。
全体の状況と背景
- 気象条件: 2月18日から岩手県沿岸南部に乾燥注意報が連続で出され、26日には強風注意報も(最大瞬間風速18.1m/s)。乾燥と強風が火災の拡大を助長。
- 原因: 1回目は不明、2回目はゴミ焼き、3回目は作業小屋からの出火が疑われる。専門家は人為的要因(タバコの不始末や放火など)を指摘。
- 対応: 消防、警察、自衛隊、緊急消防援助隊(宮城(みやぎ)・山形(やまがた))が総動員。27日は天候を見つつ消火活動を強化中。
- 過去の国内・国外の大規模火災事例:
- 国内事例: 2016年糸魚川市(いといがわし)大火(新潟県): 2016年12月22日、新潟県糸魚川市で発生した火災は、中華料理店の鍋からの出火が発端。強風による飛び火で拡大し、焼失面積は約14ヘクタール、150棟以上が焼失。消防車の上を越えた飛び火が100メートル先に新たな火点を発生させ、大規模火災に発展した。
- 国外事例: 2025年カリフォルニア・パリセーズ火災(米国): 2025年1月7日、ロサンゼルス近郊のパシフィック・パリセーズで発生した火災は、サンタアナ風と乾燥した気候により急速に拡大。1月27日時点で焼失面積は23,400エーカー(約9469ヘクタール)以上、死者29人、5000棟以上が焼失。カリフォルニア史上最も破壊的な火災の一つとされ、電力線の問題が原因として調査中。
最新情報では、3回目の火災が依然として進行中で、鎮圧の見込みは立っていません。大船渡市は住民の安全確保を最優先に、引き続き警戒を呼びかけています。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「岩手県大船渡市で生じている大規模火災」でございました。
それでは皆様、次回の放送まで、どうぞご安全に!