備える.jp
サイトメニュー仕事依頼・お問合せ

Voicyそなえるらじお #931 「ポータブル電源」って何なの?基礎解説&日本の普及の歴史は?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #931 「ポータブル電源」って何なの?基礎解説&日本の普及の歴史は?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、9月18日(水)、本日も備えて参りましょう!

そもそも防災

本日のテーマは「ポータブル電源」のお話です。

停電対策において、電気そのものをためておく備えをする場合に欠かせないのが、ポータブル電源です。最近はこのそなえるらじおや、YouTubeそなえるTVでも、ポータブ電源のお話をよくしていましたが、そもそもポータブル電源って何なの?と思われている方も未だまだ多いと思います。ということで今回は、ポータブル電源とは何なのか?基礎編を改めてお話します。

ポータブル電源とは

ポータブル電源とは何なのか、厳密な定義があるわけではありませんが、

  • 人の手で持ち運ぶことのできる重量・サイズであり、
  • 一般的な家電などを使用できるコンセントが搭載されている
  • 手軽に使用できる、持ち運び可能な蓄電池

を、個人的にはポータブル電源と呼んでいます。

蓄電池ですので、事前に電気を充電して貯めておいて、停電したらためた電気を使います。もちろん充電残量が0%になれば使えなくなりますので、長期停電に対応するためには、なにかしらの充電手段とセットにしておくことが重要です。

よく似たアイテムとしては、スマートフォンなどの充電に使用するモバイルバッテリーがあります。モバイルバッテリーもポータブル電源も、電気を貯めて使う、持ち運び可能な蓄電池という意味では同じものですが、いわゆるモバイルバッテリーには「コンセント」が搭載されておらず、USBケーブルしかさして使用することができません。モバイルバッテリーのサイズを大きくして、コンセントを使える様にしたものがポータブル電源と言えます。

また、電気や機械に強い方ですと、自動車などに使用する蓄電池に、インバーターを取り付ければ家電を使えるよ、などのアドバイスもしてくれますが、これは手軽ではありませんのでポータブル電源とは言えません。スイッチひとつで、なんならスイッチすら押さずに、とにかくコンセントへプラグを差し込めば電気を使える、この簡単さがポータブル電源の要素として重要だと思います。

ということで、ポータブル電源とは、「コンセントが使える、持ち運べるサイズの、手軽に使える蓄電池」だと思ってください。

なぜ最近注目されているのか

現在日本国内では、数多くのポータブル電源が発売されていますが、特にジャクリ、エコフロー、アンカー、ブルーティといった会社がポータブル電源の大手メーカーとして多くの製品を販売しています。

この中で最初にポタ電を日本市場に投入したのは、恐らくはアンカーではないかと思われます。2016年の熊本地震の際に、アンカーの日本向けポタ電の初代モデル「Anker PowerHouse」100台が被災地支援として無償提供されていますが、その後2016年6月6日から一般向けの販売も開始されています。ただ、この時点ではポータブル電源とは一体何だろうか?と知名度もまだ低く、一般向けの製品としての浸透はまだまだこれからという状況でした。

続いて、ジャクリとエコフローが2019年に日本市場向けへ製品の展開を始めます。ジャクリは2014年にアメリカで販売をスタートし、2019年3月ではamazon経由で日本での販売を開始しました。当初は防災用途というより、アウトドア用途を重視し、カジュアルな電源として積極的に展開を続けています。

また2019年11月には、クラウドファンディングサイト「MAKUAKE」でエコフローが当時最新のポータブル電源「EFDELTA」を発表し、当時のクラウドファンディング史上最高の応援金額を集めて話題となりました。

この2019年・令和元年以降にポータブル電源の販売を始めるメーカーが急増し、まさにこの辺りがポタ電元年となり、まずはアウトドアやレジャー用途として。そして昨今では防災用途として普及が進められるようになっています。

防災用途としては

ポータブル電源が防災や停電対策を目的に普及し始めたのは、2022年頃からだと思っています。もちろんそれ以前からも停電対策にポタ電を、という訴求はありましたが、2022年頃から、

  • エントリークラスの入門機種のコンセント出力が、1500W以上になってきた
  • バッテリーの種類がより高性能な「リン酸鉄・リチウムイオン電池」に変わり…
  • 安全性が向上、寿命が延び、充電時間も短くなるなど非常時にも使いやすくなった
  • さらに普段からコンセントに挿しっぱなしで放置できる機種が出はじめた

などの性能向上があり、防災的に使いやすくなったというのが理由です。

数万円程度のポタ電を買えばスマホ充電に困らなくなり、10万円程度のポタ電を買えば電子レンジやエアコンも動かせる、というのが昨今の状況です。ただ、電子レンジやエアコンを1日中動かせるような容量はまだないため、使い方の工夫や充電手段の確保が停電時にポタ電を上手に使うポイントとなっています。

本日も、ご安全に!

本日は「ポータブル電源」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

新着のブログ記事

ブログカテゴリ

備える.jp 新着記事