Voicyそなえるらじお #959 買い占めも買いだめもないのに物がなくなる…物流と生産のお話
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、11月1日(金)、本日も備えて参りましょう!
ジャストインタイム!
本日のテーマは「物流と物不足」のお話です。
本日から11月、いよいよ冬…のはずですが、まだ日中は暑苦しかったり、夜も気温が下がりきらなかったり、また台風21号がまだ台湾沖にいたりと、本格的な冬の到来にはもう少し時間がかかりそうな日々となっています。さて、本日は11月初回の放送となりますので、まずは月初のチャンネル紹介・自己紹介から!
こんにちは、備え・防災アドバイザーの高荷です
2020年11月にスタートした、当チャンネル、『Voicy・死なない防災!そなえるらじお』、先月2024年10月末で、放送958回、フォロワー数が5,754名となりました!今月11月24日で、そなえるらじおは四周年を迎えます!常連のみなさま、新たにチャンネルをフォローくださった皆様、改めてお礼を申し上げます。
当チャンネルは、個人と家庭の備えと防災、または企業の危機管理をテーマに、災害と防災のお話をしています。直近で発生した地震・大雨・台風・噴火・感染症などの自然現象に関する解説や、これらに対する家庭と職場の防災に関するアドバイスなど、「防災をライフスタイルにする」ための様々な情報・ノウハウを紹介する番組として運営を行っております。
毎月少しずつチャンネル登録をいただく方が増えておりますので、毎月初回放送では、そもそも私が何者なのか、という簡単な自己紹介からスタートさせていただきたいと思います。
自己紹介
私は、「備え・防災アドバイザー」という肩書きで活動をしております、高荷智也と申します。大学や研究機関、あるいは防災関連の企業に所属していない、「あなたと私の防災アドバイザー」として活動をしております。具体的なお仕事といたしましては、
- 講師業…講演会やセミナーなどでお話をしたり、
- 執筆業…雑誌やwebメディアなどでコラムを連載したり、様々な防災記事の監修を行ったり、
- コンサル業…企業と契約をして防災グッズの企画開発や、BCPと呼ばれる危機管理のマニュアル作成のお手伝いをしたり、
- メディア出演業…テレビやラジオなどで災害の解説や、防災に関するアドバイスを行ったり、
- メディア運営業…私自身が運営するwebメディア「備えるJP」、YouTube「そなえるTV」、voicy「そなえるらじお」などの運営を行ったりと
「備え・防災」の何でも屋さんという立場で、お仕事をしております。
そなえるらじおについて
そなえるらじおは、私、防災アドバイザー高荷智也が運営をしております、YouTubeチャンネル「そなえるTV」の姉妹チャンネルとして運営している番組です。防災に関する体系的な知識を学びたい場合はYouTubeそなえるTVが、最新情報やトレンドのお話、防災意識を維持する目的であればVoicyそなえるらじおがオススメです。
そなえるらじおは、コメント欄が大変賑わっていることに特徴があります。常連のリスナーさんも、初めての方も、お気軽にコメントをください。放送内容の感想、自分自身の防災のこと、また防災アドバイザー高荷への防災質問など、随時受け付けております。特に防災質問は放送で取り上げることも多くありますので、お気軽にご活用ください。
また、2023年3月にスタートをしました、有料チャンネル・そなえるらじおプレミアム版「高荷智也の防災以外」も、多くの方にご登録をいただいております。こちらは私のプライベートや、レギュラー放送の裏側のお話などをするチャンネルとなっております。防災に関する学びを得るならば、レギュラー放送だけで大丈夫です。私自身の話を聞いてみたいという皆様、ぜひプレミアム版をお聞き下さいませ。
トイレットペーパー騒動
51年前の本日、1973年(昭和48年)11月1日、大坂・千里ニュータウンのあるスーパーマーケットを発端にして、デマ情報を元にしたトイレットペーパーの買いだめ騒動が生じました。俗に言う、オイルショックのトイレットペーパー騒動です。
これは、トイレットペーパーが品薄となりかえなくなる、というデマがデマを呼ぶ形で広がった騒動で、実際には紙の供給は安定していましたし、日本人のお尻の数も増えてはいませんでしたので、虚構によるパニック騒動です。
しかし、その後も2011年の東日本大震災や、2020年の新型コロナウイルス感染症パンデミックなどにおいて、生活物資のパニック買いが生じるなど、どうも昨今の日本において、なにか災害が生じた、または生じる恐れがある際に、生活物資が必要以上になくなるという現象が生じやすくなっていることを感じます。
需要と供給について
店舗からモノがなくなるためには、需要が供給を上回る必要があります。台風の上陸が報じられて、乾電池やペットボトル水が売り切れとなる、マツコの知らない世界でスイーツが絶賛されて売り切れとなる、需要が急に増加する要素は様々ですが、平時にも非常時にも突然モノが品薄となる状況はいつでも生じます。
品薄が局地的なものであれば、すぐに在庫が補充されますので、翌日には売り場は元通りとなりますが、全国的に需要が高まり、メーカー在庫も無くなり、生産も間に合わないと言う状況になると、しばらく欠品が続きます。このような流れによる物不足は、分かりやすい事例ではないかと思います。
ところで、近年の小売店は在庫をあまり持っていません。「そこになければないですね」というスラングが話題になったりもしますが、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、ホームセンターなど、基本的に売り場にないものは、バックヤードにもないことが多いです。
これは、流通や生産の仕組みが進化して、即時発注と出荷、メーカー側におけるジャストインタイムのような即時生産のコントロールが行える様になったためです。そのため、店舗のバックヤードに大きな倉庫を設けるくらいなら、売り場を広げて販売の機会を増やす。売り場の在庫が切れれば物流倉庫から1日で補充する、という流れが成立するようになりました。
こうした取り組みにより、店舗側としては利益率が向上するなどのメリットが得られる様になりましたが、これは生産と物流が常にフル稼働していることが前提の仕組みとなります。スーパーやコンビニは、特に買い占めなどが起こらなくても、夜中には商品棚が空っぽになります。平時であれば夜中のうちに在庫補充されるため問題ありませんが、地震や水害などの影響でトラックが走れなくなった瞬間、この仕組みは崩壊します。
だれも買い占め・買いだめをしていない、普通に買い物をするだけ。でも在庫が補充されないと翌日にはもうモノがない。これが昨今生じる見かけ上の物不足です。物流倉庫やメーカーの倉庫にはモノがたくさんある、でもそれを売り場に持っていけない、という問題が生じやすくなっています。
本日も、ご安全に!
本日は「物流と物不足」のお話でした。
それでは皆さま、引き続き、ご安全に!