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Voicyそなえるらじお #758 能登半島地震5日目…全ての支援の起点となる「り災証明」取得を

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #758 能登半島地震5日目…全ての支援の起点となる「り災証明」取得を

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月5日(金)、本日も備えて参りましょう!

令和6年能登半島地震…発生5日目

本日のテーマは「罹災証明と被害写真」のお話です。

  • 能登半島地震の発生から、本日で5日目を迎えます。
  • 今回は、住宅や生活の再建を行う際の起点となる、重要な罹災証明書の取得についてのお話です。

引き続き余震には警戒

  • さて、能登半島地震は現在も余震が続いております。今後も余震、あるいはさらに大きな地震が発生する可能性があります。また大きな地震が発生すれば、津波をもたらす恐れがありますので、救助・復旧・生活をする際には、常に「今揺れたらどういう安全行動を取るか」をイメージすることが重要です。
  • また雨も降っています。土砂災害がとても発生しやすい状況になっていますので、強い揺れに見舞われた地域では、「重ねるハザードマップ」などをスマホで確認し、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域には近づかないなどの注意も必要となります。

住宅被害への対応

  • 地震発生から5日目を迎え、住宅に被害を受けた方は、被災生活をしながら今後何をしたらよいのか、と考え始める時期だと思います。
  • 住宅再建や復旧を行う際には、様々な支援制度を活用できる可能性がありますので、そのための準備を開始して下さい。
  • 具体的には、被害を受けた自宅の写真をたくさん撮っておくこと。そして「罹災証明(りさいしょうめい)」を申請することが、全ての始まりとなります。
  • 罹災証明は、各種の支援金、義援金、保険の申請などに必要となる書類で、待っていてももらえません。自分で自治体の役場に行って申請することでもらうことができる書類です。
  • 被害の写真は、罹災証明の発行や、保険金の申請などに必要となる資料になります。必ず無くてはならないものではありませんが、申請がスムーズかつ有利になりますので、できれば自宅を片付ける前に、撮影を行ってください。

被害の写真を撮る

  • 被害を受けた自宅の写真を撮影することは、精神的につらいものがあります。しかし、生活再建には重要な行為ですので、自宅の片付けや修理などを行う前に行ってください。
  • 写真撮影のポイントとしては、まず屋外の写真を撮影します。自宅の東西南北4方向から、家全体が入るような写真を撮影します。また基礎・外壁・窓などに被害が生じている場合は、そこもアップで撮影しておきましょう。
  • またひさし、雨どい、庭の設備などの外構設備も、被害を受けている場合は記録に残しておくと、保険などで対応できることがあります。
  • さらに、室内の撮影もしておください。部屋の状態を撮影し、壁のヒビや、窓ガラスの被害があればアップで撮影しておきます。家具や家電の被害は罹災証明には関係ありませんが、保険請求で必要になる場合がありますので、落下した物、破損した物、全て写真にとっておきましょう。
  • また建物は無傷でも、液状化現象などで建物が傾いてしまった場合も、地震による被害と認定されます。傾きの様子が分かればその写真を、あるいはドアが勝手に開いてしまうとか、ビー玉やボールが転がってしまうなどの様子があれば、動画で撮影しておくようにしてください。

罹災証明書の申請・地震保険の請求

  • 写真の撮影を行ったら、罹災証明書の申請を行います。自分が住んでいる自治体の役場に行って、申請を行ってください。
  • 罹災証明書はその場で公布されず、申請後に自治体職員による自宅の調査が行われてから発行されます。自宅の被害の程度により、全壊・大規模半壊・半壊などと区分され、これに応じて受けられる支援やお金の金額が定まります。
  • 判定基準に不服がある場合は再調査の依頼もできますので、まずは申請を行ってください。
  • 地震保険に加入していた場合は、保険会社に連絡をしてください。これは罹災証明とは別の対応となりますので、個別に実施する必要があります。
  • 加入している保険会社に連絡すると、今後すべきことを教えてくれますが、基本的には調査員による家屋の被害状況調査が必要になります。これは罹災証明の調査とは別の物になります。この時に写真が役立つことがあります。
  • なお、今回の震災では火災も発生していますが、地震が原因になる火災では、火災保険では補填されません。地震保険で対応する必要があります。自分の保険でどこまで対応できるかは、保険会社に聞けば教えてもらえます。
  • また今回被災を免れた方については、ぜひ地震による火災に対応するためにも、火災保険に地震保険を追加していただきたいと思います。
  • 住宅被害が軽微な場合、保険がおりないかもと思われるかも知れませんが、軽微な損傷でも保険がおりる可能性はあります。とりあえず連絡をして、対象になるかどうか相談をするとよいでしょう。

各種の制度

  • 罹災証明書が発行されましたら、各種の支援制度を受けることができます。
  • 使える支援制度は災害や自宅の被害の程度によりことなりますので、具体的な内容・それぞれの申請方法は、自治体に確認をすることになります。
  • 被害を受けた自宅を修理する場合は、応急修理制度により修理費用の一部を自治体が負担してくれます。
  • 全壊した自宅を解体・撤去する場合は、公費により無償で解体してもらえる場合もあります。
  • また生活再建の支援金を受けたり、少し時間が必要ですが義援金を受け取ることもできます。
  • 家族が亡くなられている場合は、災害弔慰金の制度により見舞金を受け取ることができます。
  • また1年後となりますが、確定申告時に所得控除枠が増えたり、住宅ローンの減免制度を受けられることもあります。
  • これらの支援を受けるための入口となるのが、罹災証明の取得となりますので、避難生活が落ち着いたタイミングで、写真撮影と罹災証明の申請を行うようにしてください。

本日も、ご安全に!

本日は罹災証明と被害写真」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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