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Voicyそなえるらじお #756 能登半島地震から2日…被災地外で「すること・すべきでないこと」

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #756 能登半島地震から2日…被災地外で「すること・すべきでないこと」

備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月3日(水)、本日も備えて参りましょう!

令和6年能登半島地震…発生4日目

  • 2024年1月1日の夕方16時10分、「令和6年能登半島地震」の発生からまる2日が経過しました。
  • 現時点における暫定的な本震はマグニチュード7.6、最大震度7、と極めて大きな地震でしたが、
  • その後も余震が続いており、マグニチュード6以上の地震が1回、マグニチュード5以上の地震が12回、マグニチュード4以上の地震が81回、マグニチュード3以上の地震が157回と、大変活発な状況が続いています。
  • 昨日の放送で、しばらくは余震に警戒しつつ、この後の「本震」への備えも重要とお話しましたが、この状態は変わっていません。
  • 本日は、被災地の外にいる方が、いま「すべきこと」「するべきでないこと」のお話です。

するべきこと

  • 今、被災地の外にいる一般の方がすべきことは、ほとんどありません。
  • 強いて言えば募金活動への参加はいくらでも行うべきですが、今募金をしてもまだ被災地で活用するすべが無いため、もう少し落ち着いてからでも構いません。
  • また、テレビやWEBのニュースなどでは、繰り返し地震災害について報道がなされていますので、普段防災に興味関心の無い方にも、自然と災害や防災の話題が耳に入る状態です。
  • 今回の被災地はたまたま能登半島周辺となりましたが、いつ自分が同じ状態に陥るか分かりません。家族と防災の話をして、我が家の地震対策、家具の固定・ガラスの飛散防止・消火器の設置・防災備蓄品の準備、などが行いやすい環境になっていると思いますので、必要な対策や物の設置をぜひ行ってみてください。

物は送らない

  • 逆に、被災地の外にいる一般の方が、しない方がよいことはいろいろあります。
  • まず、物を送るのは止めてください。ニュース報道などを見ていますと、避難所で水やトイレが足りない、被災地で物が不足している、などのコメントを多く見かけますので、今自分の目の前にある、ペットボトル水や食べ物を送って上げたくなりますが、これは迷惑にしかならない行為です。
  • 今、被災地で物が不足しているのは、日本国内に物が不足しているからではなく、物流が破壊されていることが原因です。戦争や感染症パンデミックなどでは、物そのものが不足するため、物資の支援にも意味がありますが、今回の場合は物流だけが問題なのです。
  • ヤマト・佐川・ゆうパックなどの運送会社が、現在石川県および富山県向けの配送を止めていますので、一般人が物を送る手段はありません。物流が復旧すれば、スーパーやコンビニなどの小売りを中心に、必要なものを十分送り込めます。
  • また配送が再開されても、例えば市役所宛に段ボールに詰め込んだ支援物資を送った場合、箱を開けて、中身を選別して、必要とする避難所へ送って、という作業を行うための人手がありません。むしろその荷物が邪魔になるだけです。
  • 支援物資は、被災地に家族や知人がいる場合に限り、足りない物を送るというケース以外では、復旧支援の邪魔になりますので、送らないでください。その分は、募金に回しましょう。

現地に行かない

  • 配送がダメなら、自分で物を持って行きたい、あるいはボランティアとして現地で活動をしたいと考える方もいるかもしれません。これも、支援先が明確になっていない場合は、迷惑にしかなりませんのでやめてください。
  • 現時点では、物や人を受け入れるための窓口がなく、それを行う人手が足りていません。少なくとも発災から3日間は、人命救助が最優先事項となりますので、消防や自衛隊などの移動や活動を、わずかにでも邪魔をする行為は、百害あって一利無しです。
  • 被災地に家族や知人がいて、明確に向かう先が明らかであれば、自分で足を確保して移動することはよいでしょう。一方、明確な行き先がないのであれば、被災地の側からボランティアの受け入れ要請がはじまるまでは、募金以外は迷惑な行為となりますので止めてください。
  • いまボランティアや、支援物資の受け入れをしていますか?などと被災地の市役所などに電話をして確認するのも、大変に迷惑かつ救助活動の妨げにしかならない行為ですので、絶対にやめてください。
  • 生活復旧の段階になり、ボランティアの受入が始まったら、是非協力をするとよいでしょう。

デマの拡散

  • ニュース報道でも盛んに言われていますが、SNS・・・具体的にはXを使った、デマ情報、とりわけ「地震が来るかも」という情報の拡散をしないことも重要です。
  • 大きな地震のあと1週間程度は、いつでも大きな揺れが生じることを前提に生活や活動をする。これだけです。これ以上の地震が来るかも、という情報は不安を煽る有害な情報にしかなりません。
  • 地震予知に関する情報は全てウソです。また、地震雲や異常に見える空の色なども、地震発生にはなんら関係ありません。動物の異常行動はよく分からないことも多いですが、余震に対して常に警戒をしなければならない現状においては、不要な情報です。
  • このような、地震発生に関する情報は、全て無視して、リポストやコメントなどはしないでください。

本日も、ご安全に!

しばらく、災害情報のお話をメインで参ります。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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