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Voicyそなえるらじお #772 カセットガスボンベはどこに保管する?予備の熱源のオススメは?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #772 カセットガスボンベはどこに保管する?予備の熱源のオススメは?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月24日(水)、本日も備えて参りましょう!

カセットこんろは必須品

本日のテーマは「カセットボンベの保管と非常時の熱源」のお話です。

  • 今回もコメント欄にいただいたご質問への回答。
  • 質問を下さいましたのは、「風鈴」さんです。
  • 『自宅は50年前に建てた平屋の一戸建てなので、大地震がくれば瓦屋根は落ちてくると思います。そこで、備蓄品や保管場所を見直そうと思ったのですが、やはり怖いのは火災です。万が一カセットコンロが押し潰された場合どうなりますか?
  • 合わせて固形燃料や燃料用アルコールの備蓄も検討中ですが安全面が不安です。その他、炭や着火ジェル、お湯を沸かすための物はいろいろあると思いますが、予備的に備えるお勧め品がありましたら教えて頂きたいと思います。』

カセットガスボンベは火元にはならない

  • カセットこんろとガスボンベは重要な備蓄品です。備蓄トイレと合わせて、最重要なインフラ代替グッズのひとつと言えます。停電や断水が解消するまで自宅で生活を続ける、在宅避難を行う際にはぜひほしい備蓄品です。
  • 停電時に調理や湯沸かしを行うためのカセットガスこんろ、エアコンやファンヒーターの代わりに使用するカセットガスストーブ、停電に備えたカセットガス発電器などを動かすために、燃料となるカセットガスボンベが必要となります。
  • 安全に配慮すれば大変便利なカセットガスですが、中に詰まっているのはLPガス・可燃物ですので、正しく使用することが重要です。そして今回ご質問でいただいたように、大地震による建物倒壊や、火災への備えも気になる所ですね。
  • では、カセットガスボンベが建物倒壊に巻き込まれ、押しつぶされた場合はどうなるのでしょうか。ボンベが押しつぶされてガスが噴き出すと、同時にドカンと、爆発するようなイメージもありますが、ただガスが漏れただけでは爆発することはありません。
  • ガスボンベが押しつぶされても、周りに火元となるものがなければ、最終的にガスが空気中に拡散して終わります。ガスコンロ、ライター、ロウソク、仏壇の線香、ストーブの炎、ガス給湯器の炎、あるいは大地震でコンセントなどがスパークして火花が飛ぶなどが、火元になる恐れのあるものです。
  • 押しつぶされたガスが、高い濃度のままこうした火元に接触すると、爆発的に燃焼します。しかしガスが漏れても、素早く換気をすることができたり、あるいは建物が倒壊した際に屋外とつながれば、ガスはすぐに拡散して薄まるため、危険はなくなります。
  • カセットガスボンベは、火災に巻き込まれると火災を大きくする恐れのあるものですが、カセットガスボンベ単体で、火災の原因になるものではありません。これを踏まえて、適切な保管場所を検討することができます。

カセットガスボンベの保管場所

  • ガスボンベの保管場所に適しているのは、高温と高湿度が避けられる場所が必須で、火災対策を考慮するならば、窓のある換気が行いやすい場所が向いています。
  • まずは高温を避けます。直射日光が当たらない場所で、夏場もできるだけ高温にならない場所を選択してださい。直射日光を避けるのは絶対条件ですが、高温については真夏に室温が45℃くらいまで上昇する程度なら大丈夫です。
  • 自動車や直射日光があたる物置などに保管して、温度が80℃を超えるような状態となると、破裂の恐れが出てきますが、真夏の室内の40℃~50℃程度であれば問題ありません、普通の家の中であればまず大丈夫です。
  • さらにボンベの缶を錆びさせないことも重要ですので、缶に直接水がかかったり、潮風が直撃し続けたり、異常に高湿度な環境は避けてください。日本は夏の湿度が異常に高くなりますが、普通の部屋程度であれば大丈夫です。台所のシンクの真下、お風呂場の脱衣所など、常時湿っているような場所を避けられれば、そこまで神経質になる必要はありません。
  • また、建物倒壊や家具の転倒に巻きこまれないことも重要です。と言っても、家具の転倒防止はともかく、旧耐震基準の家など、大地震による建物倒壊の恐れがある場合、それを回避することは困難です。建物が2階建てであれば、潰れやすい1階ではなく2階にボンベを保管するなども考えられます。
  • また万が一ボンベが潰れた際に、爆発をさせないために、火元となるものがある場所での保管は避けてください。ガスコンロのある台所、日頃から石油ストーブなどが置かれている部屋、ロウソクや線香を使う和室、タバコを吸う場所などを避けるだけでも、火災の発生確率を下げることができます。
  • そのため、建物倒壊の恐れがある古い民家でカセットガスボンベを備蓄する場合は、できれば2階の部屋で、普段人がいない部屋や、屋外に面している納戸・押入などが選択肢になるでしょうか。間取りやライフスタイルに応じてご検討ください。

湯沸かし道具について

  • カセットガスコンロ以外の湯沸かし選択肢はどうでしょうか。
  • お湯が欲しいというだけであれば、火も電気も使わない、モーリアンヒートパックのシリーズにある湯沸かしBOXや、同じ原理の別製品ホットプラスなどがオススメです。安全かつ簡単にお湯を沸かすことができます。保存期限はおおむね5年ですが、すぐに使えなくなる訳ではありませんので、かなり長期間保管できます。
  • 湯沸かしだけではなくある程度の火力が欲しい場合は、アウトドア用の小型こんろや、珪藻土または金属製の七輪と、木炭の組み合わせがよいかと思います。こうした道具は基本的に保存期限が無限ですので、管理の手間がかからず、また火災の原因にならず安全に保管できます。
  • 私の場合は、カセットガスボンベと、モーリアンヒートパック、そして七輪・木炭を非常時用の熱源として準備しています。

本日も、ご安全に!

本日はカセットボンベの保管と非常時の熱源」のお話でした。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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