Voicyそなえるらじお #768 古い新耐震の建物、大地震直後にとどまるか逃げるかの判断は?
最終更新日:
執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月18日(木)、本日も備えて参りましょう!
逃げるかとどまるか
本日のテーマは「大地震直後の家の確認」のお話です。
- 本日はコメント欄にいただいたご質問への回答です。
- 質問をくださったのは、「ぱんだっこ」さん
自宅か実家か
- 高荷先生、初めてコメントいたします。いつも先生の配信、とても勉強になると同時に、続けてお聞きすることで防災意識が持続しやすくなっていて、大変感謝しております。本当にありがとうございます。人工地震とは関係ないのですが、大地震発生時の避難について質問があります。
- 自宅や会社など、その時いる場所に留まるか別の場所に避難すべきかどうかを考える際のポイントをお聞きしたいです。また限定的な状況ではありますが、以下のケースでは、高荷先生はどのように考えられ、行動されるかを教えていただけたら幸いです。
- 私は、1985年に建った木造アパートの2階に住んでいます。津波や土砂災害の心配はなく、火事にならない限り、わりと安全な場所かと思っています。自宅はある程度の備えをしており、4歳と1歳の子供もいますので、命が助かり建物が無事であれば、基本的には在宅避難をしたいと考えています。
- ただ今回の地震では、新耐震基準の建物も多く倒壊していると聞きます。うちも一応は新耐震基準とはいえ、2000年の耐震基準の建物ではありませんし、最初の揺れですぐに倒壊はしなくても自宅に留まっていいのか不安になります。
- なお、自宅から約1.7キロのところに2009年に建て替えた実家があり、実家へ行くことも考えています。
- 特に夫の不在時だった場合、私だけで子供2人を守るのも不安なのもあります。ただ、普段は徒歩や一駅電車に乗るなどして移動していますが、被災時に4歳の子を歩かせて徒歩移動するとなると、時間もかかり、より大きな本震や余震もあるかもしれない中、心配です。地域の指定避難所はすぐ近くにありますが、最後の手段にしたいです。
- 長文で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
まずは基本のおさらい
- 大地震の直後には、必ず強い余震が発生します。
- 1回目の揺れに耐えられた建物が、2回目以降の揺れで倒壊することもあります。
- 揺れが収まり、周囲の安全が確保できたら、自宅の状態を確認して下さい。詳しい確認は専門家に行ってもらう必要がありますが、大地震直後の場合は、
- 建物が傾いていないか、また建物が歪んでいないか。窓やドアの開閉がしづらくなっている場合は、ゆがみが生じている可能性があります。
- 建物内の壁、建物外の壁、基礎などにひび割れや破損が生じていないか。深いひび割れ、長いひび割れなどがある場合、構造に被害が生じている可能性があります。
- このような確認を行い、このまま中にとどまるのは危ないなと思われましたら、安全な場所への避難が必要となります。
- 自動車を使った車中泊避難、移動できる家族・親戚・知人の無事だった家、自力で被災地を出てホテルなどに宿泊、これらが全てダメだった場合は、もよりに避難所へ移動します。
今回のケースでは
- では「ぱんだっこ」さんの場合はどうでしょうか。
- まず建物は1985年の木造アパート、新耐震ではありますが築39年と古くなってきているため、大地震の後は建物の確認が必須となります。揺れが大きかった場合は建物が損傷し、余震に耐えられない恐れがあるため、避難をする可能性を考慮に入れた事前準備が必要と思われます。
- 幸い津波や土砂災害はないということですので、揺れが収まりしだい建物確認、問題なさそうならそのまま自宅へ、損傷が多い、または不安な場合は、まず2009年に建て替えたというご実家へ移動されるのがよいと思われます。
- 1.7キロの距離ということですので、事前対策として、昼・夜・雨の3パターンで、徒歩でのお散歩をたまにされるのがよいかと思います。できるだけ、倒れてくるような建物がない、ブロック塀がない、そうしたルートをいくつか見つけておけると安心です。
- 徒歩圏内に、逃げ込める可能性がある実家があるのは、そうとうよい選択肢です。まずはそちらへの避難を前提に、計画をされるとよさそうですね。
本日も、ご安全に!
本日は「大地震直後の家の確認」のお話でした。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!