Voicyそなえるらじお #677 モロッコで生じた大地震と被害、現地の状況について
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、9月11日(月)、本日も備えて参りましょう!
モロッコで大地震の被害
本日のテーマは「モロッコ地震」のお話です。
- 北アフリカのモロッコで、現地時間で9月8日夜、日本時間で9月9日の早朝、マグニチュード6.8、震源の深さ26km、日本の震度に換算して5強から6弱の大きな地震が発生しました。
- この地震で、昨日9月10日現在において、2,000名以上の死者が発生、道路やインフラにも大きな被害が生じているということです。
モロッコ地震
- まず今回地震が発生したモロッコ、正式にはモロッコ王国ですが…
- 場所的にはアフリカ大陸の北西に位置し、大西洋と地中海を隔てるジブラルタル海峡を挟んで、北側にスペインがあります。
- 人口3,700万人、面積は44万平方キロと日本とほぼ同じくらいの大きさの国です。首都はラバトですが、モロッコで一番大きな都市は、首都ラバトから南に90キロほど移動したカサブランカです。
- 今回地震が発生したのは、モロッコ最大の都市カサブランカから南に200キロほど移動した内陸にあるマラケシュです。モロッコ国内では4番目に大きな都市ということで、大きな被害が発生しています。
モロッコの地震活動
- モロッコとスペインの間にあるジブラルタル海峡は、プレートの境界にもなっています。ヨーロッパがあるユーラシアプレートと、アフリカ大陸があるアフリカプレートがちょうどぶつかり合っている地域で、この地中海周辺は地震の多い地域です。
- モロッコおよび隣にあるアルジェリアの地中海側では、度々大きな地震の被害が発生しています。
- 一方、このプレート境界から離れた場所は地震が少なく、今回地震が生じたマラケシュ周辺では、1年に1回ほど小さな地震があるかどうかという地域で、今回発生したマグニチュード6.8という地震は直近100年では最大規模の物ですし、なんならM6以上の地震が、この100年で初めてという状態でした。
現地の被害
- 地震発生から本日で3日目、人命救助のピークを迎える時期となりますが、すでに2000名を超える死者が生じるなど、大震災の様相となっています。
- ニュース映像などを見ますと、地震の揺れで文字通り粉々になっている建物がある一方、隣の建物は無事だったりする様子もありますので、建物ごとの耐震性が相当にばらついているように見えます。
- 倒壊している建物は、レンガを積み上げた石造りの建築物が多く、恐らく耐震性という物を最初から考慮していない建物だったのだろうと思われます。
- 今年2023年2月にトルコで発生した大地震でも多くの建物が倒壊して、5万名以上の死者が生じる大惨事となりましたが、こちらは地震が比較的多い地域であり、耐震性を考慮していなかったというよりは、違法建築が横行して、建物がもたなかったという悲しい状況もありました。
- モロッコの耐震状況などは分かりませんが、数百年使われていた建物が今回の地震で倒壊した、などのニュースコメントもあり、地震が生じない地域特有の、耐震性ゼロの建物が多くの被害をもたらしたかと思われます。この辺りは専門家のコメントを待ちたい所です。
旅行などで注意
- 日本においても、地震の備えたイメージトレーニングは重要ですが、海外旅行中などにおいても重要なことです。楽しい旅行中に楽しくない訓練は嫌ですが、地震、火災、爆発が生じたら、どこへ移動するとよいのか、などは考えていただくとよいのかなと思います。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「モロッコ地震」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!