Voicyそなえるらじお #629 ゴムゴムの実を食べても雷は落ちるし、金属が危険とも限らない
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月29日(木)、本日も備えて参りましょう!
ゴム+神の力で落雷対策
本日のテーマは「雷への備え」のお話です。
- 夏本番を直前に迎え、全国で積乱雲によるゲリラ豪雨や落雷が相次いでいます。本日は雷から身を守るために、知っておきたい豆知識のお話です。
金属とゴム
- 昔から雷は金属に落ちると言われていましたが、これは俗説であり誤った認識です。雷の落ちやすさに金属は関係なく、全身鎧を着ていようが、毛皮でもこもこであろうが、等しく落雷は生じます。
- また、同じ話としてゴム長靴やゴム製のレインコートなどを着ていれば、雷を防げるという話もありますが、これも誤った認識です。一般的な電圧であればゴムは絶縁体として機能しますので、確かに安全なのですが、雷の電圧は数百万ボルトから数億ボルトに達し、このような高電圧の前には、ゴム程度の絶縁効果はほとんど意味が無いことが分かっています。
- そのため、ゴムゴム実を食べて全身ゴム人間になっても、落雷を避けることはできませんし、なんなら手をびょーんと高く伸ばすと、そこが周囲で一番高い場所になりますので、落雷しやすくなる恐れすらあります。
雷に対する手当
- 考えたくもありませんが、自分のすぐ近くに落雷が生じて、だれかが雷の直撃を受けた際にはどうすれば良いでしょうか。
- まず、人体には電気を貯める特性はありませんので、落雷を受けた人に触っても感電することはありませんので、救命措置を行うことに問題はありません。
- 落雷による死因の多くは、心肺停止です。雷に打たれて心停止を起こして命を落とすというパターンになります。
- そのため、落雷で人が倒れた際、心肺停止が確認された場合は、速やかに心肺蘇生を試みることが有効です。ちょっと意外な光景ですが、落雷で止まった心臓を動かすのは、AEDによる電気ショックです。できるだけ早くAEDをトリに走り、その間は心臓マッサージを行うことが求められます。
- また、落雷により火傷を負った場合は、水をかけ続けるなどして冷やすことが重要です。衣類は脱がさずに水道で水をかけ続けるか、氷水を入れた袋などを服の上から当てて冷やし、救急車の到着を待ちます。
- 雷の直撃を受けた際の死亡率は高いのですが、100%ではありません。諦めずに救命措置を行えれば、命を繋げる可能性があります。
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本日も、ご安全に!
ということで、本日は「雷への備え」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!