Voicyそなえるらじお #622 東京が無事なら支援を出せるが、東京を助けられる地方は無い
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月20日(火)、本日も備えて参りましょう!
自助が9割
本日のテーマは「首都直下地震」のお話です。
- 本日6月20日は、明治東京地震から129年目を迎える日です。
- 待ったなしと言われる首都直下地震、本日はこのお話をいたします。
前回の首都直下地震のひとつ
- 1894年(明治27年)6月20日、お昼過ぎの午後14時4分頃、東京湾北部を震源とする、マグニチュード7.0、深さ40kmから60km、最大震度は現在の想定で6相当の大地震が発生しました。明治東京地震と呼ばれる、いわゆる首都直下地震のひとつです。
- この地震では、東京の下町地域と、横浜・川崎を中心に大きな建物被害が発生しましたが、死者は全体で31名と、現在想定されている首都直下地震の最悪の被害と比較すると、小さな被害でした。
- 被害が比較的小さくすんでいる理由のひとつは、地震の規模がそこまで大きな物ではなかったことです。記録としてはマグニチュード7という数字が使われていますが、実際にはマグニチュード6.8前後ではなかったかという調査結果が公表されています。
- もうひとつの理由は、震源の深さが想定40kmから60kmと深めであったことです。近年生じた直下型の地震で、特におおきな被害を生じさせた地震は、軒並み浅い所で発生しています。2018年の大阪府北部地震は深さ13キロ、2016年の熊本地震は深さ11キロ、1995年の阪神・淡路大震災は深さ16キロとなっており、深い場所で発生する地震は、広い範囲に揺れをもたらしますが真上の揺れの強さは抑えられるという特徴があります。
- ただ、明治東京地震で被害が抑えられたという事実は、次の首都直下地震もたいした被害は生じないのではないかという想定にはつながりません。明治東京地震の39年前にも、ほぼ同じ場所で安政江戸地震が発生していますが、こちらの地震では死者1万名近くが発生しています。
- 次の首都直下地震がどのような被害になるかは予測できませんが、ひどい状況になる可能性は高いということは、認識しておきべきだと思います。
東京が被災した時に、東京を助けられる地方は無い
- 例えば2023年3月末現在、全国には57,984のコンビニが存在しますが、そのうち7,649店舗は東京に、また首都圏全体では17,451店舗に達します。
- また、2022年の日本のGDP(国内総生産)は約550兆円ですが、このうち115兆円が東京都で、首都圏全体では194兆円になります。お金の2割が東京に、4割が首都圏に集中していると言うことになります。
- 東京が無事であれば、地方を助けることができますが、その逆はできません。首都圏における防災は自助が9割なのです…
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「首都直下地震」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!