Voicyそなえるらじお #746 中国・甘粛省での大地震…巨大地震の多い地域の進まない地震対策
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月20日(水)、本日も備えて参りましょう!
中国での地震被害
本日のテーマは「中国における地震被害」に関するお話です。
- 昨日、12月19日の未明、中国内陸部の甘粛省(かんしゅくしょう)、臨夏回族自治州(りんか-かいぞく-じちしゅう)にてマグニチュード6.2、深さ10kmの強い地震が発生しました。
- この地震で、震源付近だけでも15万5000棟の建物に被害が発生し、昨日12月19日の21時現在、127名の死者、700名以上の負傷者が生じているということです。
- 本日はこの地震のお話。
今回の地震について
- 地震が発生したのは、日本時間で12月19日(火)の午前0時すぎ、現地はマイナス1時間となりますので18日(月)の夜遅い時間の大地震発生となります。
- USGS・米国地質調査所のデータを見ますと、本震の後には何度か余震も発生しているようで、引き続きの警戒が必要な状況となっています。
- 被災地の報道写真などを見ますと、石積みの建物がバラバラになっている様子が窺えますが、この辺りは中国国内でも貧しい地域のひとつということで、耐震性などはほとんど考慮されていないことが写真から見て伺えます。
- さらに不味いことに、現地では気温がマイナス13℃まで低下しているということで、地震による即死を免れたとしましても、家を失った方々の今後の安否が大変気になる状況となっています。
地震の多い中国
- 日本は世界有数の地震大国ですが、中国も地震が多い国です。
- 国土面積辺りの地震回数を比較すると、実は中国が世界最多となります。国土が広いからという理由だけで無く、プレート境界の真上に中国大陸があるため、日本のように地震が多い地域なのです。
- ちなみに、面積辺りの地震回数、第2位はインドネシア、第3位は意外かも知れませんがイラン、そして第4位が日本となっています。いずれもプレート境界の上に国がある地域です。アメリカなども西海岸は地震が多いのですが、東海岸はほとんど地震が生じないため、面積辺りの地震回数では少なめになっています。
過去の地震について
- 今回地震が発生した、甘粛省(かんしゅくしょう)、臨夏回族自治州(りんか-かいぞく-じちしゅう)の近くでも、過去に大きな地震が発生しています。
- とりわけ大きな被害をもたらしたのは、1920年12月16日に発生した、海原地震(かいげんじしん)です。別名を甘粛地震とも呼ばれています。
- この地震はとにかく規模が大きく、マグニチュードは8.5と、海溝型の巨大地震に匹敵します。というより、地球規模でも見ても相当に巨大な地震が、海では無く大陸のど真ん中で発生したため、それは大きな揺れが発生しました。
- この地震では、20万人から24万人の死者が発生したとされ、極めて大きな被害をもたらした震災として記録に残されています。
- 中国の内陸部で最近発生した大震災としては、2008年の四川大地震も該当します。今回の地震より若干南で発生した四川の大地震も、マグニチュードは7.9と極めて大きく、8万人を超える死者・行方不明者が発生しました。
- 毎度、耐震性のない石積みの建物が文字通りバラバラに倒壊して、大きな被害が発生しています。
- 地震の生じない地域では無く、繰り返し発生する地域においてもこうですので、ある程度経済的な余裕がなければ、地震対策を行うことができないのだということを表してしまい、考えるべき項目が色々あります。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「中国における地震被害」でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!