Voicyそなえるらじお #524 今回の寒波で最低気温を更新しかけた富士山と、北海道の寒いお話
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月26日(木)、本日も備えて参りましょう!
少しだけ息を抜きましょうか
本日のテーマは「最低なお話」です。
- 昨日1月25日から続いている強烈な寒波は、今朝で一段落しそうだという予報になっています。雪国にお住まいの地域の皆様、停電やライフラインの影響を回避することができましたでしょうか。そして普段温暖な地域にお住まいの皆様、ご自宅の水道管などを凍結から守ることができましたでしょうか。
- 大陸本面から流れ込んできていた「最強寒波」は一端落ち着くということですが、今週末にかけまして再び寒さが強くなり、場所によっては太平洋側の地域でも水道管凍結の目安となるマイナス4度をした回る所が出てきそうだということで、全国一律の警戒はされないまでも、お住まいの地域によってはもうしばらく、寒さへの備えが必要になりそうです。
最低なお話
- それでは本日の本題ですが、防災に関する最低なお話をひとつご紹介。そうです、寒波に関連しまして、最低気温に関するお話です。
- 実は昨日1月25日は、日本の記念日で「日本最低気温の日」に指定されています。これは、1902年(明治35年)1月25日に、北海道の旭川市で日本における最低気温の記録であるマイナス41℃を観測したことに由来しています。
- ちなみに、この旭川におけるマイナス41℃という記録は、気象庁の観測による公的なもので、非公式な記録を含めますと、1978年(昭和53年)2月17日に、旭川の北側にある幌加内町(ほろかないちょう)で、マイナス41.2℃を観測し、これが公式・非公式を含めた日本の最低気温となっています。とにかく、冬の北海道はすごく寒いということですね。
- お話を戻しまして、気象庁による公式の最低気温、第1位は旭川のマイナス41℃ですが、では第2位はというと、こちらもまた場所は北海道、帯広で観測されたマイナス38.2℃という数値が第2位となっています。
- ちなみに帯広でマイナス38.2℃が観測されたのは、旭川による史上最低気温マイナス41℃が観測された翌日です。この数日間は強烈な寒波に見舞われていたということが分かりますが、この時に生じた事件が、八甲田雪中行軍遭難事件(はっこうだせっちゅうこうぐんそうなんじけん)です。
- 旧日本陸軍による、青森の八甲田山での雪中行軍の途中で発生した、参加者210名中199名が死亡するという最悪の軍事訓練による事故です。世界最大級の山岳遭難事故とも言われています。こうした事件が生じているさなかで、日本における最低気温が観測されていたのですね。
富士山もヤバイ
- 日本における最低気温、1位と2位は北海道における記録ですが、実は上位20位までの記録のうち、19箇所が北海道であり、とにかく冬の北海道が本気を出すとヤバイと、そういうことがよく分かる記録になっています。
- では、北海道以外で唯一ランクインしている最低気温は、いつどこで観測されたのかと言うことですが、これは実は静岡なのです。
- 日本における最低気温、歴代第4位が、1981年(昭和56年)2月27日に、観測された、富士山山頂におけるマイナス38℃という記録になります。
- ところで、富士山に詳しい方であれば、富士山頂は静岡・山梨の両方にまたがっており、県境境界未定地域なので、富士山における最低気温が静岡県なのはおかしいと思われるかもしれませんが、これは富士山測候所の住所が、静岡県富士宮市になっているというのが理由になります。
- ちなみに静岡県と言えば、最高気温の方も実は歴代1位で、2020年8月17日に静岡県浜松市で観測された41.1℃が、埼玉県熊谷市の記録と並んで1位タイとなっています。一番熱くて、一番寒い、そんな場所が静岡県なのです。
今回の寒波は結構やばかった
- ところで直近で生じていました記録的な寒波では、どのくらいの寒さが記録されたのでしょうか。昨日1月25日に北海道で観測された最低気温は、大雪山の東側、北海道の陸別町(りくべつちょう)のマイナス26.9℃が最低気温となっています。
- ただ、1月25日からの寒波における全国の最低気温は、この陸別町の数字ではなく、じつは富士山で観測されていました。これが、1月25日の朝7時に富士山山頂で観測された、マイナス36℃という記録になります。
- 富士山頂の最低気温、歴代1位がマイナス38℃ですから、もう少しで記録を更新する程の低温だったということで、今回の寒波の厳しさが伺える一コマといえますね。
- ということで、最低気温に関するお話でございました。本日も朝は路面が凍結している恐れがあります。走る、転ぶ、死ぬ、皆さん通勤通学の際には足下にご注意ください。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「最低なお話」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!