Voicyそなえるらじお #519 面倒な防災を継続するには「ハードル」を下げてとにかく着手する!
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月19日(木)、本日も備えて参りましょう!
#続ける力
本日のテーマは「防災対策の継続」のお話です。
- 今回は、Voicyのウィークリー特集から「#続ける力」というテーマに関するお話です。
- 日常生活の様々なシーンにおいて、毎日の継続というものは重要です。仕事、勉強、家事、運動、生活習慣、どうしても楽な方に、楽な方に、進みたくなる本能に対して、意思を持って何かを継続することは難しいものです。
やる気なんてない
- 物事を継続するには「やる気」が必要ですが、この「やる気」という得体の知れない何かは、存在しない概念だという話も聞きます。やる気があるから物事を始めるのではなく、物事を始めるからやる気が出る、というロジックです。
- これは確かにあるなと思っていまして、「やる気待ち」では大抵の場合、スタートが切れません。やる気が出たら、気力が出たら、面倒くさいあの作業を始めよう、と思っていますと、大抵始めることができない。そんな経験は無いでしょうか。
- 私はよくあります。「やる気が出たら始める」と考えていると、大抵やる気が出ないまま終わりますので、とりあえず着手する。始めるとすぐに乗ってきて楽しくなる、そういうことは結構あります。
- 防災対策においても、テレビを見た、YouTube見た、などで「防災しなきゃ!」というやる気が出た瞬間には、家具の固定なり防災リュックの作成なり備蓄品の買い出しなり、身体が動きます。
- ただこの、新しい何かを始める際のやる気は、やる気というよりは、強迫観念にとりつかれた何か、あるいは新しい何かを始めるコトに対する興味喚起に近い気持ちであり、やる気があるから防災を始めた、というのとはちょっと違うのだろうなと感じています。
必要ならやる
- 例えば、明日「計画停電」が生じると発表されたら、急いで対策しますよね。スマホの充電、モバイルバッテリーやポータブル電源の準備、冷凍庫にペットボトル水を入れて凍らせる、ライトやラジオの用意、色々行います。
- これらは、やる気があるからやるのではなく、やらないと困ったコトになるからやる。当然危機感が薄い方は、困るというイメージができないため停電対策をせずに困ることになるわけです。
- これが、ローリングストックになると少し話が変わります。「どうせいつか食べる物を、普段から少し多めに確保する」ローリングストックは、終わりのない毎日の作業です。これを「やらなければならないこと」と認識し、面倒くさい作業だと考えていると、長続きしません。
- 戸棚の中から、一番古い食べ物を探して、消費し、定期的にいれかえる。結構面倒くさい作業です。大切なことですが、そしてローリングストックをサボったタイミングで災害が生じると困ったコトになりますが、その困ったことになるタイミングがいつ生じるかはわかりませんので、相当に危機感を持ち続けている方でなければ、強迫観念で継続するのは難しいです。
- ローリングストックの入替を「やる気待ちに」すると、恐らく全て賞味期限切れになります。無理矢理にでも作業をすることで、楽しくなり、続けられます。これは防災対策における色々なシーンで、同じようなことが言えるかと思います。
- 大切なことでも、やる気が出ないのは仕方ありません、「やる気」というものは存在しない、後付けの概念であるからです。
ハードルを下げる
- では、重要だけれど面倒くさい、やる気が無ければ続けられないことを続けるにはどうすれば良いでしょうか。それは着手のハードルを下げることだと思っています。
- やる気という概念が存在せず、それは初めてから自然に湧き出る感情なのだとしたら、とにかく物事を始めるハードルを下げることが重要です。
- ローリングストックを長続きさえるためには、食品を整理して、1秒以内に目的の、一番賞味期限が古い食べ物を見つけられないとダメだと思います。
- 多品目を備蓄したければ、ローリングストックではなく、コンテナストックの手法を取り入れて、入替のハードルを下げることが重要です。ポータブル電源を活用したい場合も、箱にしまってはダメです、面倒くさいので充電しなくなります。普段から目に見える場所に、コンセントを指しっぱなしで保管するような体制がよいと思います。
- 毎日継続しなければならない、仕事、勉強、家事、運動、身体に良いこと、そして防災、長続きするためには、とにかくルーチンワークのハードルを下げる、やる気がなくても簡単に始められる様にすることが重要です。
- 防災は大切ですが、がんばりすぎると長続きしない、だからできるだけ手を抜いて行うのがコツだと思っています。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「防災対策の継続」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!