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Voicyそなえるらじお #513 乾燥・強風・低い消防力が招いた、伊豆大島と三沢の大火

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #513 乾燥・強風・低い消防力が招いた、伊豆大島と三沢の大火

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月11(水)、本日も備えて参りましょう!

1月11日の2つの大火

本日のテーマは「大規模火災」のお話です。

  • 前回の放送では、大規模火災に対する注意を促す「乾燥注意報」のお話をいたしましたが、本日は実際に発生した大規模な火災のお話を2つ。
  • ひとつは1965年1月11日の伊豆大島大火、もうひとつは1966年1月11日の青森・三沢大火、いずれも本日1月11日に発生した冬の大規模火災です。

大島大火について

  • まずは伊豆大島のお話、
  • 今から58年前の本日、1965年(昭和40年)1月11日の深夜に、伊豆大島の西部・元町で大規模な火災が発生、幸いにして死者は発生しませんでしたが、市街地の7割を焼失、1,300人以上の方が自宅を失う大惨事となりました。
  • 火災の原因は火の不始末と考えられていますが、この日の伊豆大島は強風波浪注意報が発表されるなど、台風並みの強い強風が吹き荒れていました。
  • 深夜に出火した火災は一晩にわたって大島の元町集落に広がり、この火災の炎の様子は大島の対岸、伊豆半島の熱川や稲取当たりからもよく見えたということです。
  • 遠くに見える大規模火災による赤い夜空というものは、それは恐ろしい光景なのだろうなと想像されます。
  • この火災は翌朝に鎮火しましたが、がんばって火を消したというよりは、全てを燃やし尽くして消えたという状況で、元町集落の7割、大島全体でも三分の一の建物を焼失する、まさに壊滅的な被害をもたらしました。
  • この1960年台というのは、高度経済成長に伴う国内観光ブームの時代で、大島も島を上げて様々な観光施設等を整備していた時代と言うことですが、裏側のインフラや火災に対する消防能力の整備はまだ追いついておらず、大規模火災に到った要因の一つであると考えられています。
  • 大規模な火災が発生すると、周辺の自治体から数百台もの消防車などが集結しますが、離島の場合はこうした消火活動にも限界があるため、延焼火災に対する打ち手なり、避難計画なりを、日頃からきちんと準備する必要があると言えます。

三沢大火について

  • 続いての火災は、青森県三沢市のお話。
  • 大島大火の翌年、いまから57年前の本日、1966年(昭和41年)1月11日のお昼過ぎ、青森県三沢市中心部の繁華街の一角から、やはり火の不始末を原因とした火災が発生しました。
  • こちらも空気が乾燥した状態であったことに加えて、風速22m/sを超える強風が吹き荒れる状況であり、瞬く間に火災が広がりました。
  • 最終的に、死者の発生はありませんでしたが、重軽傷者13名、焼失した建物は450棟、2,100名以上の方が自宅を失うという大惨事となりました。
  • 三沢市には当時から自衛隊及び米軍基地がありましたが、この火災が生じた当時、三沢市の消防能力は青森県内でもかなり低く、日頃から火災への対処いは米軍の力を借りるという状況にあったそうです。
  • 当日も、青森県内の消防本部及び、米軍三沢基地消防隊、三沢の航空自衛隊や八戸の海上自衛隊の消防隊も参加しての消火活動が行われたということですが、木造住宅の密集、冬の乾燥、そして強風という悪条件にはかなわず、大規模な延焼火災に広がったということです。
  • また冬の青森ですから、当然寒いです。火災が生じた火の気温はマイナス7度、二千名以上の方が自宅を失い、氷点下の環境に放り出されたということになりますが、これは現代においても、冬の大規模な大地震などで多くの方が自宅から避難をした際に、どう寒さから命を守るのかという課題につながっています。

冬の火災に注意する

  • ということで前回・今回と、乾燥注意報及び冬の火災のお話をいたしましたが、乾燥・強風という条件が重なると、現代でも大規模な火災は容易に生じます。
  • 今年は2016年に新潟県糸魚川市で発生した糸魚川大火から7年目を迎える年ですが、冬の防火対策はやり過ぎということはありません、本当に、火の始末、などにはご注意ください。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「大島大火と三沢大火」のお話でございました。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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