Voicyそなえるらじお #512 乾燥注意報=大規模火災注意報…2つの湿度に関心を
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月10日(火)、本日も備えて参りましょう!
喉を大切に
本日のテーマは「乾燥注意報」です。
- 成人の日の三連休も終わり、いよいよ本日から本格的に2023年のお仕事や学校が始まると言う方も多いかと思います。
- 私の場合は三連休も、イベントや事務仕事などに追われていたのですが、喉を少々痛めまして、撮影・録音系の作業が控えとなっておりました。喉を痛めると言えば冬場の乾燥が問題となりますが、
- 東京都心部などでは晴天が続いているということで、昨年末12月23日以来すでに18日間連続で晴れ、今週もお天気が続くということで、異常な乾燥状態に陥り、乾燥注意報が発表されています。
- もちろん乾燥しているのは東京だけではなく、主に太平洋側を中心に、かなり広い地域に対して乾燥注意報が発表されています。ところでこの乾燥注意報、どういう基準で出されるのでしょうか。
乾燥注意報は「大規模火災注意報」のこと
- 乾燥注意報とはそもそも何に対して注意をしているのか、ご存じでしょうか。
- 気象庁によると、『乾燥注意報は、空気の乾燥により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。具体的には、大気の乾燥により火災・延焼等が発生する危険が大きい気象条件を予想した場合に発表します。』ということです。』
- つまり、乾燥注意報は、大規模火災注意報と言い換えてもよい注意喚起と言うことになりますね。
- ところでこの乾燥注意報ですが、発表の基準としてはいくつかの数値が用いられています。まず全国共通で、「最小湿度」と「実効湿度」が、また東北地方ではこれに加えて「風の強さ」も基準になっています。火災に対して注意を促すものであるからですね。
- 最小湿度というのは、いわゆる普通の湿度のことです。部屋に置いてある湿度計や、天気予報で発表される「その瞬間の湿度」を「最小湿度」と言います。
- 一方「実効湿度」というのは、木材の乾燥度合いのことを言います。その瞬間の最小湿度が低くても、前日まで雨が降っているような場合は、木材は湿った状態になりますので、実効湿度は高めになります。これも火災に対する注意を促すものであることが理由ですね。
地域により異なる基準
- ところで乾燥注意報に限らず、気象庁から発表される各種の注意報・警報の基準は、全国の気象台により異なります。日本は東西南北に意外と広く、場所により気象条件などがかなり変わるためです。
- 例えば札幌の場合、乾燥注意報が発表される基準は、その瞬間の「最小湿度」が30%以下、かつ木材の乾燥度合いである「実効湿度」が60%以下で発表されます。
- 仙台の場合は、風速が7m/s以上の場合は、最小湿度が45%以下、実効湿度が65%以下になると乾燥注意報を発表、風が弱い場合は、最小湿度が35%以下、実効湿度が60%以下で発表となります。風が吹いていると火災が拡大しやすくなるため、多少湿っていても乾燥注意報を出すことになっているのですね。
- 東京の場合は、最小湿度25%・実効湿度50%で発表、
- 大阪の場合は、最小湿度40%・実効湿度60%で発表、
- さらに沖縄の場合は、最小湿度50%・実効湿度60%で発表、
- という具合に、地域により差があります。共通するのは、その地域的に、これよりも湿度が下がると、大規模火災の可能性が高くなるのでまずい、そうした基準を用いていると言うことになります。
乾燥注意報が出たとき
- と、少々細かな数字のお話をしましたが、この数字そのものはテストに出しませんので、全て暗記しなくて大丈夫です。重要なことは、乾燥注意報は「大規模火災注意報」であるということを知って、普段の2倍火災に対する注意をするということになります。
- 火災警報器の電池が切れていないか、
- ストーブの上に洗濯物を干したり、周りに燃えやすい物を置いていないか、
- 大掃除で見逃した、たこ足配線や埃まみれのコンセントがないか、
- と言うあたりを、改めてご確認いただきたいなと思います。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「乾燥注意報」のお話でございました。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!