Voicyそなえるらじお #369 ハザードマップでギリギリの範囲に家がある…場合に注意すべき情報
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災!そなえるらじお」、6月6日(月)、本日も備えて参りましょう!
ハザードマップどこまで信じるか
本日のテーマは「水害ハザードマップ」に関するお話です。
- 今回はコメント欄にご投稿いただいた質問への回答。
- 先日このようなご質問を頂きました、『私はいま、下水道が溢れる内水氾濫が気になっています。マンションの一階なので。地域の水害ハザードマップではギリギリ大丈夫なエリアですが、近くに浸水危険地域があったら危ないのでしょうか。水害ハザードマップをどこまで信用してよいのか気になります。』
- ということで、コメントをくださいました「きく」さん、誠にありがとうございます!
ハザードマップが「想定最大規模」か「計画規模」か
- 洪水ハザードマップを見る際に、ひとつ注意が必要なポイント。
- 洪水ハザードマップには、同じ場所について、影響の大きさが違う2種類の地図が作製されることがあります。
- これは、洪水の原因となる大雨の規模について、すごい大雨と、超すごい大雨の種類を用いて、それぞれの大雨に対してどの程度の被害が生じるかを想定しているためです。
- 具体的には、その洪水ハザードマップが、「想定最大規模」か「計画規模」どちらの大雨で作られているのかをチェックする必要があります。
- 「想定最大規模」の降雨規模は、おおよそ1000年に1回程度を想定しています。これは、1000年毎に1回発生する周期的な降雨ではなく、1年の間に発生する確率が 1/1000(0.1%)以下の降雨です。毎年の発生確率は小さいですが、規模の大きな降雨であることを示しています。
- そして、「計画規模」の降雨規模は、10~100年に1回程度を想定しています。もちろん、雨の多い地域・雨の少ない地域がありますので、おなじ数十年にいちどでも、地域により雨の量の基準は異なります。
- 従来の水害ハザードマップは、計画規模の大雨を基準に作成されて今したが、2015年(平成27年)の水防法という法律改正で、今後は「想定最大規模」の大雨でハザードマップを作りましょうとしたため、順番に置き換わっている最中であるといえます。
想定最大規模の洪水ハザードマップを基準にする
- 私であれば、想定最大規模の基準で作成されている洪水ハザードマップであれば、基本的にはその内容に基づいて各種の対策を立てます。
- また自宅が無事であっても、地域全体が水没する場合はインフラやライフラインに大きな影響が生じますので、防災備蓄品は多めに必要です。というより、遠方の発電所などを含めれば、地域全体が安全な場所というのは存在しませんので、
- 自宅が無事なら自宅に留まる計画を、自分のフロアまで水没する場合は逃げる準備をする。そして備蓄品についてはあらゆる状況において、最低3日・できれば7日、を基準に準備することが必要です。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「洪水ハザードマップ」に関するお話でした。
- 想定最大で作られている場合も、その想定最大の水準が引き上げられることがあります。毎年見直しましょう。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!