Voicyそなえるらじお #290 悪意のない迷惑を回避、災害情報を見聞きする際は「時期」と「主語」を必ず確認!
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月2日(水)、本日も備えて参りましょう!
#情報収集のコツ
本日のテーマは「情報収集のコツ」です。
突発災害に対しては「情報入手+その際の行動」をセットにする
- 本日は、Voicyの週次テーマ、「情報収集のコツ」というお話ですが…
- 例えば緊急地震速報や、自治体から発表される避難指示、あるいは気象庁から出される特別警報など、命に関わる情報については、できるだけ素早く入手する準備をしておくことと、そうした情報を得た際にどう行動するかを決めておくことが重要です。
- 大地震、津波、土砂災害、河川の決壊などの災害情報は、それを知ってから「どうしよう?」と判断していては間に合わないような状況も多いため、「この情報を入手したら、こう行動する」ということをセットで決めておき、そのために必要な道具などもあらかじめ揃えておくことが必要になります。
- 緊急地震速報という情報を入手したら、自宅ならここに逃げ込む、車の運転中ならハザードを焚いて減速する、電車に乗っていたら手すりを掴んでしゃがみ込む、など、日頃からイメージトレーニングをしておき、反射的に行動できるようにしておくことが理想です。
- また、大津波警報が発表されたり、最寄りの河川が氾濫したり、あるいは火山が噴火したなどの情報をキャッチした場合は、屋外の避難場所へ行くのか、自宅に留まるのか、荷物はどうするのか、40秒以内にどのような支度をするのかなど、緊急時のやることリストをまとめておくことが重要です。
災害に関する情報は「それがいつ時点の物か」を確認する
- 一方、遠方で発生した災害の情報や、平時にあつめる防災の情報などについては、また情報収集のポイントが変わってきます。例えば昨日、こんな記事がYahoo!ニュースのトップに掲載されていました。
- 「トンガ噴火は世界的な寒冷化を引き起こす可能性もある」というタイトルの記事で、公開日時は2月1日の10時23分と記載されています。
- この記事の中では、過去の巨大噴火により寒冷化が生じた例などが紹介されていますが、トンガの噴火が寒冷化を引き起こす、とは書かれていません。
- この記事は雑誌が元になっているようなのですが、雑誌は取材してから紙面に載るまでタイムラグがあり、さらにそれがWEB版になるまでには時間がかかりますので、災害に関する情報はWEBで公開された時点で、結構古くなっていることがよくあります。
- トンガの噴火に関しても、噴火の数日後には、寒冷化を引き起こす原因のひとつとである、二酸化硫黄の放出量がかなり少ないということが判明し、今回の噴火ではすぐに寒冷化などに繋がる可能性は低い、などの報道がされていましたが、
- おそらくこの雑誌の記事は、こうした報道が出る前の、噴火直後の取材が元になっていたのではないか、そして噴火から2週間立って、すでに情報が古くなっている状況でこうした記事が公開され、なにやら誤解を招くといいますか、妙なタイミングで公開されたといいますか、ちょっと注意が必要な記事になってしまっています。
- 災害は時間の経過と共に最新情報が大きく変わりますので、災害に関する記事を見る際には、それがいつ時点の情報なのかをよく確認することが重要です。
巨大災害の情報は、「記事の主語」をよく確認する
- また、あまり前例のない巨大災害などが発生した場合は、過去の似た災害を引き合いに出し、あのときはこのような悪い状況になったので、今回の災害でも最悪の場合は同じような状況になる可能性もある。
- といった見せ方が、良くされます。
- こうした記事、タイトルだけを見たり、掻い摘まんでチェックをしたりしますと、あたかも、いま発生している巨大災害で、その最悪の事態が生じているように読めてしまう場合がありますので、
- 災害の記事を読む場合は、その悪い状況が、何を対象にしているのか。主語が、今おきている災害なのか、あるいは過去の災害の事例を指しているのか、そこをチェックすることが重要です。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「情報収集のコツ」でございました。
- 災害に関する情報は、悪意無く、多くの方に教えてあげたくなります。
- しかし、
- 慌ててSNSなどで拡散をしますと、デマをばらまくことに悪意無く加担することになってしまいますので、その記事はいつ時点の情報か、その被害は今の災害を指しているのか、この辺りはぜひご確認をください。
それでは皆さま、本日も引き続き、どうぞご安全に!