Voicyそなえるらじお #188 救助三種の神器、バール・ジャッキ・ノコギリを準備する
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、9月3日(金)、本日も備えて参りましょう!
救助三種の神器
本日のテーマは「救助用品」です。
- 本日9月3日は、23年前に「岩手県内陸北部地震」が発生した日です。
- 1998年(平成10年)9月3日、夕方16時58分、岩手県の北部にある岩手山付近で、マグニチュード6.2、最大震度6弱の大地震が発生しました。
- 震度6弱を観測している、それなりに大きな地震だったのですが、おそらくこの地震のことを記憶されている方は少ないと思います。
- なぜか、単純に被害がほとんど発生しなかったからです。
岩手県内陸北部地震
- 岩手県内陸北部地震、この地震による死者は0名、軽傷者が数名ということで、地元のマスコミ以外はほとんど取り上げなかったのです。
- 現在であれば、SNSなどを通じて現地の状況や感想が共有されると思いますが、1998年と言えば、まだガラケー普及の途上の時期、インターネットの普及率もそれほど高くない時代ですので、マスコミが取り上げない自然現象は、世の中に知られることがなかったのです。
- 被害が少なかった理由は、強い揺れを観測した地域に大都市がなかったからです。
- 最大震度6弱を観測したのは、岩手県雫石町(しずくいしちょう)だけですが、震源が街の中心部から離れていたこと、震源近くにあった施設はスキー場でしたが、地震が夏場の発生だったため人で賑わっていなかったことなどが理由です。
- 恐ろしい大地震ですが、被害のでない場所で生じればタダの自然現象、そんな大地震が岩手県内陸北部地震でした。
救助用品について
- ところで、大地震が都市部で、具体的には皆様が住んでいる街の足もとで発生した状況に備えて、ぜひ準備していただきたいものがあります。
- いわゆる、救助用品です。
- 住宅が倒壊して家族が生き埋めになった、
- 建物が歪んでドアや窓が開かなくなり、外に出られなくなった
- 家具や家電が転倒して、家族が挟まれてしまった、
- 大地震の揺れで、自分や家族、あるいはご近所さんが、身動きの取れない状況になった時には、救助用品が必要となります。
- 生き埋めになっても消防のレスキューや自衛隊が助けてくれる、それは事実ですが、あくまでも災害の規模が小さい場合や、二次災害がない時に限ります。
- 災害の規模が大きい場合、救助対象者が多すぎ、消防や自衛隊だけでは手が足りなくなります。
- また、大地震により津波や火災が発生し、すぐに避難しなければ死ぬかもしれないという状況になると、消防や自衛隊をまっていては手遅れになる恐れがあります。
- 被害甚大な大地震の場合は、自分たちで救助活動をしなければならない、そんな状況があり得るのです。
神戸もそうだった
- 例えば、1995年の阪神・淡路大震災でも、多くの建物が倒壊し、大勢の生き埋め被害者が発生しました。
- この時、身動きが取れなくなり自力での脱出ができなくなった方を誰が助けたのか、という調査結果がありますが、消防や自衛隊など行政に助けられたという方の割合は全体の2割程度、8割の方は家族や近所の方が助けたという結果になっています。
- そしてこのような状況は、近い将来に想定されている首都直下地震や、南海トラフ地震でも同じだと言えるのです。
救助三種の神器を
- そこでぜひ準備いただきたい道具があります。
- いわゆる、救助三種の神器と呼ばれているアイテムですが、最低90cm以上の長めのバール、自動車などに積まれているジャッキ、そしてノコギリです。
- 建物に押しつぶされた、家具に潰された、ドアが歪んで開かなくなった、こうした状況に対しては、基本的に重量物除去が必要となります。
- バールやジャッキを使って、重量物を持ち上げ、隙間に木材などを挟んで空間を確保し、被害者を引きずり出す、という作業が基本になります。
- 動かすことができない障害物は、ノコギリや、またはアックスやハンマーなどの破壊道具で破壊する、なども状況としてはあり得ます。
- また、救助者の安全を確保するために、作業用の手袋、夜間を想定した照明器具、またヘルメットなどの装備品も、できれば準備したい所です。
- さらに、こうした道具は、ないよりはあった方がよいですが、使ったことがなければ上手く利用できない恐れがあります。
- 自治体や地元の消防署などが、防災訓練や救助訓練などを主催することがありますので、そうした場にぜひご参加いただくことをおすすめいたします。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「救助用品」のお話でございました。
バール、ジャッキ、ノコギリの救助三種の神器、自分と家族のため、また地域のためにも役立ちます、ぜひご準備下さい。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!