Voicyそなえるらじお #91『命にかかわる防災項目に、代用品や裏技を使ってはいけない』
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月8日(木)、本日も備えて参りましょう!
手を抜くところ、手を抜いてはならぬ所
本日のテーマは「新生活と防災」です。
出発の日
本日4月8日は、4と8の語呂合わせから、「出発」の日とされているそうです。味の素が、新年度に伴う新生活スタートにあわせて、朝食の重要性をPRする目的で始めたそうです。
- 新生活は防災対策を行うチャンスでもあります。
- 何より重要なことは、津波・水害・土砂災害・噴火などが生じない場所の家を借りること。そして最低でも新耐震基準の家に住むこと。最重要な防災対策は家選びで、これを行う貴重なチャンスが、新生活の直前だからです。
- とはいえ、「出発の日」である4月には、すでに家探しの段階は終わっています。
- この場合は、大地震対策として重要な、室内の安全対策を行うことになりますが、まだ家具が少なく、また比較的モノも散らかっていない時期は、家具の固定などが行いやすい状況であると言えます。
防災トリビアで死んではいけない
- 背の高い家具の固定、重量のある家電の固定、荷物の落下防止、ガラスの飛散防止などが、実際に行っていただきたい室内の安全対策ですが、
- このような話をすると、「なにか裏技や、あまり知られていないライフハックで、簡単にかつお金をかけずにできる、家具の固定方法などはないでしょうか」という質問をよくいただきます。
- 家具の手前に新聞紙を挟み込んで壁にもたれかけさせる。家具の上に段ボール箱を詰め込んで、転倒防止を行う。などがトリビア的な方法として広まっていますが、できればやめていただきたいです。
- 防災の裏技が必要なのは、他に手段がない場合に限られます。
- 自分の命にかかわることを値切るというのは、じぶんの命そのものを値切っていることと代わりありません。
- 昨日、#90の放送でもご紹介しましたが、防災対策は瞬間のことではなく、一生涯続くライフスタイルです。そのため、重要ではありますが、気合いを入れすぎると長続きしませんので、適度に楽をする、手を抜くことが重要です。
- ただし、これはあくまでも命に関わらない所のお話、
- 家具の固定など、室内の安全対策は、手を抜くと自分や家族が死ぬ恐れのある対策です。
- こうした箇所に対する手間、お金は、ケチってはなりません。
- 持ち家であれば、金属金具を使って直接ネジで家具と壁を固定する。
- 賃貸住宅であれば、粘着タイプの器具を使って家具と壁を固定する。粘着器具の取付が難しい場合は、突っ張り棒で固定する。こうした器具は、激安品や裏技で代用してはいけません。
- 出発の日、もし新生活を祝福してくれる家族や親戚、友人や仲間がいるのであれば、ぜひ家具固定器具を、お祝いとしておねだりすることをおすすめいたします。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「新生活と防災」のお話でした。大地震は必ず不意打ちで発生しますので、事前対策の有無と内容が、そのまま生きるか死ぬかを決めます。自分の命に直結する対策だけは、ぜひケチらずに、しっかり行ってくださいね。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!