Voicyそなえるらじお #105『1日平均3回の緊急地震速報が鳴る日本という国』
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月28日(水)、本日も備えて参りましょう!
緊急地震速報
本日のテーマは、「緊急地震速報」です。
- 本日4月28日は、はじめて一般向けの緊急地震速報が発表された日です。
- ちょうど13年前の本日、2008年4月28日の、深夜2時32分、宮古島近海でマグニチュード5.2の地震が発生しました。地震発生から4.6秒後、マグニチュード6.0の地震発生と想定されて、まず緊急地震速報(予報)が発表されました。
- 緊急地震速報(予報)は、高度利用者向けと呼ばれる情報で、テレビ・ラジオ・携帯電話など一般向けには配信されない緊急地震速報です。
- さらにその1秒後、マグニチュードが6から6.6に上方修正された第2報が発表され、
- そしてその5秒後、マグニチュードが6.6から6.9へさらに上方修正された第3報が発表されました。
- この第3報で、沖縄県宮古島の推定震度が「5弱」とされ、一般向けの緊急地震速報が出される条件を始めて満たしたことから、緊急地震速報(警報)が、テレビ・ラジオ・携帯電話などに対して配信されました。
- 地震発生から10.6秒後のことでした。これが、日本で初めての、一般向けの緊急地震速報となります。
- 残念なことに、一般向けの情報が出されたのは地震発生から10.6秒後と、時間がたった後でしたので、震度4の揺れを観測した宮古島はすでに地震の揺れに見舞われた後でした。
- しかし、宮古島の南西に位置する石垣島と、西表島(いりおもてじま)については、緊急地震速報の10秒から20秒後に揺れが到達しましたので、緊急地震速報が理屈通りのよい働きをしたのです。
過去の回数など
- 一般向けの緊急地震速報が、始めて発表されたのは、2008年の4月28日のことですが、
- これ以降、一般向けの「緊急地震速報(警報)」は、合計233回発表されています。
- およそ13年半で、233回、平均すれば月に1~2回ペースとなりますが、
- 実はこのうち、97回の速報は、3.11東日本大震災が発生した2011年に集中しています。
- また一般向けの速報が鳴るのは、震度4以上が想定される地域だけですので、実際に私たちが緊急地震速報のあのイヤな音を耳にする機会は、それほど多くないのかも知れません。
- しかし、有効に活用できれば、命を守る貴重な時間を稼ぐことができますので、緊急地震速報が鳴ったらどんな行動を取るか、
- 自宅にいたらどこに走り込むか、外出先だったらどこでしゃがみ込むか、自宅の室内の安全対策や、日々のイメージトレーニングが重要となります。
高度利用者向けの速報はバンバン鳴る
- ちなみに、高度利用者向けの「緊急地震速報(予報)」はどのくらい鳴っているか想像できるでしょうか。
- 一般向けの警報が過去13年半で233回鳴ったのに対して、
- 高度利用者向けの速報は、合計14,553回鳴っています。
- 高度利用者向けの速報がでる条件は、一般向けよりもゆるめになっておりまして、
- 地震の揺れが100gal以上を観測したか、
- 最大予測震度が3以上であるか、
- または推定されるマグニチュードの大きさが3.5以上の場合に、
- 緊急地震速報(予報)が出されます。
- 2007年10月1日から本日まで、国内で震度1以上を観測した地震は、合計で40,257回発生しています。このうち14,553回の地震で、緊急地震速報(予報)が出されたことになります。
- なかなか、多いと思いませんか?
- 一般向けの速報に繋がる大きな揺れが月に1~2回のペースで、
- 震度1以上の揺れに到っては、1日10回以上発生している、
- それが私達の住む、地震大国日本の姿です。
- この素晴らしい技術、緊急地震速報を生かせるように、意識したいものですね。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「緊急地震速報」のお話でした。
Voicyそなえるらじおでは、過去の放送でも何度か緊急地震速報の話題を取り上げておりますが、貴重な地震対策の情報源であり、重要な仕組みですので、今後もご紹介を続けたい話題かなと思っております。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!