Voicyそなえるらじお #49『崖崩れは、大雨・地震の前触れがなくても生じる!』
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月4日(木)、本日も備えて参りましょう!
崖崩れに注意
2020年2月5日…神奈川県逗子市で崖崩れ
- COVID-19の流行初期、全国の店舗からマスクがなくなったころ、神奈川県逗子市である災害が発生しました。
- 2020年2月5日、逗子市内の斜面が前触れ無く突然崩落し、当時高校3年生だった女子生徒1名が、推定68トンもの土砂に押しつぶされ、死亡する事故が発生しました。
- 直前に大雨が降っていたわけでもなく、地震などが発生したわけでもなく、突然発生した崖崩れでした。
- 崩落現場は、5階建てのマンションの下に位置する、高さ約15メートル、幅約30メートルのがけで、地面から半分までの高さは擁壁で補強されていましたが、上半分の7メートルほどは土がむき出しの状態になっていました。
- このがけは、土砂災害警戒区域に指定されており、大雨や大地震が発生した際には特に注意が必要な場所としてハザードマップなどにも記載されていましたが、そうしたきっかけがなく、ある日突然突然崩落するとは想定されておらず、命を落とした女性も、青天の霹靂という状態であったと想像されます。
- 「がけは、前触れ無く、ある日突然崩れるかも知れない」という教訓が浮き彫りとなりました。
- この事故を受けて、国土交通省では土地の所有者に対して、斜面の自主点検時のポイントを示しています。
- ①斜面に亀裂がある、②斜面に大きな石が浮き出ている、③落石がある
- これらの減少が見られる場合は、斜面が不安定になっている可能性があるため注意が必要ということです。
- このポイントは、土地の所有者だけで無く、日常生活でがけの近くを歩く場合にも有効なチェックポイントですので、ぜひ気にしてみてください。
土砂災害警戒区域が多い
- 日本は山が多い国ですが、土砂災害の発生時に被害が想定される地域については、土砂災害警戒区域に指定され、ハザードマップなどに記載されています。
- 2020年時点の指定箇所は…
- 崖崩れの恐れがある場所が全国で41万8千箇所、
- 土石流の恐れがある箇所が全国で20万2千箇所、
- 地すべりの恐れがある箇所が全国で1万3千箇所、
- 合計すると63万3千箇所もの場所が、土砂災害警戒区域に指定されています。
- 身近な場所にも、崖崩れ、土石流、地すべりなどが生じる場所があるかもしれませんが、これらは自治体のハザードマップに載っていますので、ぜひ確認をしてみてください。
- 今すぐチェックをしたい場合は、目の前にあるスマートフォンかパソコンで、「重ねるハザードマップ」と検索をします。
- 重ねるハザードマップは、国土交通省が提供している、WEBのハザードマップ閲覧サービスで、日本中好きな場所の地図に、津波・高潮・洪水・土砂災害のハザードマップを重ねて表示できる地図です。登録不要、だれでも無料で利用できます。
- この地図で、自宅・職場・学校、通勤・通学に使っている道が、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域などに指定されている場合は、大雨や大地震の際はもちろん、日頃から突発的な土砂災害に注意する必要があるということになります。
本日も、ご安全に!
発生してからでは回避が間に合わない土砂災害、ハザードマップを確認しておくことと、生活圏内にがけがある場合は日頃からよく観察することが重要となります。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!