Voicyそなえるらじお #52『人類よ宇宙を目指せ!安全保障としての大スケール防災』
最終更新日:
執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、2月10日(水)、本日も備えて参りましょう!
最悪の自然災害・天体ハザードの脅威
本日のテーマは「人類規模の防災対策」です。
どうにもならない自然災害
- 昨日の放送では、最悪の自然災害、天体衝突のお話をしました
- しかし最悪に属する災害は他にもあります
- 同じ天体ハザードでは、太陽系の近くにある恒星が超新星爆発を起こすことで生じるガンマ線バーストであったり、
- 地球上で氷河作用が暴走することで、地上全てが凍りついてしまう全球凍結・スノーボールアースであったり、
- また天体ハザード以外でも、1万年に1回程度の頻度で生じている、超巨大噴火などが生じた場合も、気候変動による人類滅亡の危機がやってきます
- こうした最悪の自然災害は、ハリウッド映画などのテーマとするために考えられたフィクションではなく、実際に過去の地球でも発生し、なんどか生物を絶滅寸前にまで追いやってきた実績がある…と想定されています
食料を自給せよ
- こうした最悪の災害に対して、どのような準備が考えられるでしょうか
- 個人の防災では無力ですので、基本的には国家単位のプロジェクトになります
- すぐにでも行える対策は、地球規模での寒冷化と日照不足に備えた、食料の大量備蓄と、エネルギーの自給、そして工場での食料生産です
- エネルギー自給としては、太陽光や気象エネルギーが当てにならなくなりますので、地熱発電の大規模な開発や、原子力発電所の整備が必要になります
- ちなみに長期的な視点では、原発は現在主力の核分裂反応ではなく、目下研究開発中の核融合によるものに変わって行くことが期待されます
- そして食料については、まず工場による自給体制が稼働するまでの間をつなぐ、1シーズン分の食料備蓄が必須です。
- とはいえ毎年備蓄と廃棄を繰り返すのも非生産的すぎますので、数年分の玄米を国家備蓄し、平時にはバイオエタノールやバイオプラスチックの原料として活用することを検討しなければなりません。
- そして備蓄食料で時間を稼ぐ間に、食品工場を稼働させて完全自給を行う…ということができれば、滅亡からまぬがれることができるでしょう。
- 現在の技術でも実行可能ですが、経済合理性という壁に阻まれて実現は難しいため、これは民間主導ではなく、安全保障の延長として国レベルで取り組む必要のあるプロジェクトです。
宇宙を目指せ
- しかし、惑星規模の物理的影響が生じる天体ハザードから生きのびるためには、それこそ宇宙へ逃げるしか方法がありません。
- まずは月面基地の建設、そのうち火星圏への移住、さらに太陽系全体の開発、そして他の恒星系への移住というステップになります。
- これも完全なSFの話ではなく、人類が遙か未来まで生存をするのであれば、いずれ到達するステップと言えます。
- 問題はこれを必要とする最悪の災害が、いつ生じるか分からないことです。人類の文明はせいぜい1万年程度、一方天体ハザードの頻度は数億年レベルで考え無ければなりません。
- これまで人類が滅亡しなかったのは、たまたま運がよかったという言い方もできますので、実は人類に残された時間はそれほど長くないかもしれません。
- 地球上でいざこざしている場合ではなく、ロマン的な行為ではなく、防災対策の延長として、人類は宇宙を目指さなければならないのです。
本日も、ご安全に!
この宇宙開発は、長期的な人類プロジェクトとなります。レバレッジが効くお話になりますので、今から少しずつでも、宇宙方面への科学技術予算を増加させ、確実に進展させていくようになるとよいなと、思っております。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!