Voicyそなえるらじお #248 奥州街道から三陸沿岸道路へ、災害復興を支える国土開発軸
最終更新日:
執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月2日(木)、本日も備えて参りましょう!
奥州街道と国道4号線
本日のテーマは「慶長三陸地震」です。
慶長三陸地震
- 本日12月2日は、410年前に慶長三陸地震が発生した日です。
- 1611年12月2日、旧暦では慶長16年10月28日のお昼前後の時間帯に、現在の三陸沖を震源とする、マグニチュード8から9と想定される巨大地震が発生いたしました。
- 陸地からかなり離れた場所が震源であったため、揺れの大きさはそれほど強くなく、現在で言うところの震度4から5程度と想定されていますが、3.11東日本大震災に匹敵する巨大な津波が東北から北海道の沿岸を襲い、3.11で大きな被害を受けた場所と同じような地点で、高さ20mを超えるような巨大津波に襲われています。
- また北海道では高さ50m程度の高さまで津波が遡上した痕跡も残されており、特に津波被害が甚大であった地震として記録に残されています。
- 三陸地方は繰り返し大地震と津波が発生するエリアですが、同じような地震が起こり、同じような被害が発生してしまっている、という事実は反省すべき項目と言えますし、
- 次にまた必ず発生するであろう、同じような地震において、どうすれば被害を減らすことができるかを計画し、100年単位の時間軸で実施していくことが、災害大国日本では求められることになります。
- その長期的な防災計画のひとつが、道路網の整備です。
奥州街道と三陸道路
- 東北地方を南北に縦断する、日本最長の幹線道路・国道4号線と、多くの区間を併走する東北自動車道ですが、元を正せば江戸時代の初期に整備された奥州街道のルートが元になっています。
- 奥州街道が開通したのは1646年、慶長三陸地震が発生した35年後のことでしたが、例えば江戸から仙台までのルートとして、水戸街道経由の海沿い太平洋ルートではなく、日光街道経由の内陸ルートが選ばれているのは、東北太平洋沿岸が度々津波で押し流されている、そうした記録が江戸の時点ですでに残っているから、という側面もあろうかと思います。
- 結果、奥州街道に端を発する国道4号線が無事であったことは、3.11東日本大震災の被災地復旧においても、いわゆるクシの歯作戦による道路の早期啓開・復旧の大きな力となった訳で、これは長年の国土開発によるポジティブな影響と考えられます。
- また今年2021年には、3.11被災地の復興活動のひとつとして進められてきた事業、三陸エリアを縦断する復興道路・復興支援道路、総延長570キロにもなる三陸沿岸道路および周辺の道路が全線開通しました。
- この道路も、津波の浸水エリアを避けたり、橋桁を高くすることで津波被害を免れるようにしたり、また緊急時には避難場所としても活用される想定であるなど、現代的な災害対策道路として完成しています。
- 災害そのものを防ぐことはできませんが、被害を減らすための対策、同じような災害が生じた際に同じ被害を繰り返さないための対策、こうした取り組みが、長期計画として進められるとよいですね。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「慶長三陸地震」のお話でございました。
最後にお知らせがひとつございます。
東急ハンズ・インスタライブのお知らせ
- 私が監修をしております、普段はクッション・非常時には寝袋になる、大変便利な防災アイテム、SONAENO クッション型多機能寝袋。
- 冬の避難所生活に備えてぜひご準備を頂きたいアイテムですが、先日より全国の東急ハンズで販売されております。実物を見てご購入頂けますので、ぜひお手にとってご覧くださいませ。
- また、今週末、12月3日金曜日の夜20時半頃から、東急ハンズさんの公式Instagramアカウントで、「冬に活躍するあったかアイテム」を、私と、東急ハンズさんのバイヤーさんとでご紹介する、インスタライブを実施いたします。寝袋も登場いたしますが、ぜひご覧くださいませ!
- ちなみに、実は私も、ヒッソリとInstagramアカウントを開設しまして、防災アイテムやインスタ映えする防災設備の写真を少しずつ投稿しております。よろしければご覧くださいませ。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!