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Voicyそなえるらじお #829 無秩序なメガソーラーを憎んで、ソーラーパネルを憎まず

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #829 無秩序なメガソーラーを憎んで、ソーラーパネルを憎まず

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月17日(水)、本日も備えて参りましょう!

要は使い方なんです

本日のテーマは「ソーラーパネル」のお話です。

  • 一昨日、2024年4月15日、仙台市の郊外にあるメガソーラー発電所で火災が発生し、ほぼ1日燃え続けて鎮火するという事故が生じました。
  • 消防によると、火災の規模が大きく、放水による感電の恐れもあり、慎重に消火活動にあたったため、鎮火までに時間がかかったと発表しています。
  • 本日はソーラーパネルのお話。

クリーンエネルギー

  • 本来、ソーラーパネルは素晴らしいものです。
  • 石油・石炭・天然ガスなどの火力発電と異なり、運転する際に燃料を必要としません。当然二酸化炭素を排出することもないため、環境負荷の小さなクリーンエネルギーと言えます。
  • また放射性核廃棄物の問題を抱える、核分裂による原子力発電と異なり、適切に作られたソーラーパネルは廃棄やリサイクルが容易です。使用後の環境負荷も本来は小さなエネルギー源と言えます。
  • 化石燃料に乏しい日本では、何かしらの理由で石油タンカーを始めとする船舶が、日本の港に入港できなくなると、深刻なエネルギー危機を迎えます。例えば台湾有事のようなシーレーンを脅かす状況であったり、毒性のつよいパンデミックによる世界的な海運の停止であったり、いつでも生じる恐れのある危機です。
  • こうした状況で、電力を供給するためには、核燃料サイクルを確立した原子力発電所か、水力・風力・太陽光などの自然エネルギーに頼るしかありません。しかし原子力発電は色々な課題を抱えているため、最後まで自給できるエネルギー源として、ソーラパネルは日本のような小資源国には欠かせない発電手段なのです。

メガソーラーが悪い

  • しかし、本来は素晴らしいクリーンエネルギーであるはずのソーラーパネル、近年では印象が悪くなっています。その理由はメガソーラー発電の無秩序な乱立です。これは個人的な意見ですが、メガソーラー発電は良くないと思っています。
  • ソーラーパネルは燃料を使わずに電力を生み出せる、素晴らしい存在です。しかし大量の電気を作るためには、大量のパネルを敷き詰めなければなりません。例えば地震や水害の恐れがなく、植物もあまり生えないような土地に、ソーラーパネルを敷き詰めてメガソーラーにするのは有効です。
  • しかし日本のように、地震が多く、水害のリスクも高く、放置すればあっという間に植物に覆われてしまうような土地に、ソーラパネルを敷き詰めるのは、よくありません。メガソーラー発電は日本と相性が悪いのです。
  • もちろん管理されている土地に、管理されているメガソーラーを作るのは問題ありません。問題なのは、管理されていない土地に、無理くりメガソーラーを建設し、ほとんど放置状態で短期的な利益を上げようとすることです。
  • こうした、よくないメガソーラー発電所が増加することで、本来は素晴らしい存在であるはずのソーラーパネルが、悪者になっています。これはとても残念なことです。

ソーラーパネルはどこに設置すべきか

  • では、ソーラーパネルはどのように活用するのが良いのでしょうか。ソーラーパネルは、建物の屋根など、使われていない安全な場所に設置することで、メリットを最大化することができる構造物です。
  • 住宅・商業施設・工場などの建物は、地震や台風などの自然現象の直撃を受けても耐えられるように作られますし、屋根の上であれば、植物の影響も受けづらく、津波や洪水の被害を受けても即座に水没する危険は低くなります。
  • また屋根にソーラーパネルを設置することで、屋根が二重化されますので、例えば建物の断熱性が向上したり、屋根の塗装が長持ちするメリットが得られます。積乱雲などによる雹が発生すると、ソーラーパネルが破壊される恐れもありますが、ソーラーパネルがなければ屋根が破壊されるだけですので、これはどっちもどっちということになります。
  • また近年では、蓄電池の性能やコスパが向上しており、ソーラーパネルとのセット運用が行いやすくなってきています。ソーラーパネルで発電した電力も、売るよりも自家消費して電気代を節約する方向で活用した方がよいため、屋根で電気を作り、貯めながら自給自足する仕組みが適しています。
  • もちろん電気の自給自足は、突発的な停電、災害による大規模な停電対策にも向いています。とりわけ近年では、温暖化による夏の暑さ対策がどんどん重要になっています。暑さ対策は電気無しで対処することが難しいため、ソーラーパネルによる対処は相性のよい対策となります。
  • 屋根の上に載せるソーラーパネル、またポータブル電源などとセットで運用する持ち運びのできるソーラーパネルは、ドンドン普及させるべきですが、メガソーラーは条件付きとして、無秩序な乱立は徹底的に回避されなければなりません。
  • ということで本日は、無秩序なメガソーラーのことは嫌いになっても、ソーラーパネルのことは嫌いにならないでください!というお話でした。

本日も、ご安全に!

本日は「ソーラーパネル」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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